医師の残業上限、年2000時間も検討 救急など特例で
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この特例は結構話題になっていて、私の周りの救急医にはすこぶる評判が悪いです。
理由は単純で、地方で働く医師が足りないと言いながら地方で働くモチベーションを下げるような制度だからです。
あまり極端な表現は避けた方が良いのかも知れませんが、救急医が守られにくい状況になることに対する憤りもあり、個人的にも流石に制度を作られた方の感性を疑うと言わざるを得ません。
この国は我々のことを一体なんだと思っているのだろうか、と思います。
一応追記しますが、救急医の負担は病院の体制によります。
当直前後に休みがある場合(夜勤制)と、前日の朝から翌日の夜までぶっ通しで働いて次の日も朝から普通に出勤の制度(当直制)で、全く変わります。
どちらの病院でも働いたことがありますが、後者は当直中に仮眠が可能なことが前提であるにも関わらず往々にして不可能で、結構しんどいです。
ちなみに今は職場に恵まれて入り明けの休みを満喫しています!たまたまさっき、うちの心臓血管外科医と、この記事のことを話しました。
・さすがに年2000時間(毎月約166時間)の残業が必要なのは病院のシステムがおかしい。うちの病院(比較的少人数で手術数多)でもここまで残業は必要ない。
・残業時間の上限と地方の医師不足とは根本的に別の問題。地方で上限が上がるのなら、更に地方に行く人が少なくなるのは自明。
・(米国のように)新専門医制度で都会で研修できるプログラムの定員を減らすことが即効性のある対策と思われるが、それをやる根性、気概がない。
・救急医は世間が思っているより身体の負担は少ない。
・せめて外科医の給料上げろ。
というような意見が出ました(どれが私の意見かは内緒ですが、概ね同意です)。実際それくらい働いている先生も結構いるでしょうけど。というか、それでも足りないところがあるのが現実でしょう。
ただ、そもそもそんなに残業代出す病院はあまりないでしょうから「なかったこと」になっているのが現状。
5年も猶予時間をおいても、やはり医者は死んでも構わないというスタンスを厚労省に示されるのは腑に落ちないのですが。。。それとも、サービス残業をきちんと労働と認めてくれるような法改正がなされるのでしょうか?(建前上はすでに労基署が介入してますし、なぜだか無給医はいないとか言っちゃう官庁ではありますが)おそらくそうなれば、それだけの人件費上昇に耐えられなくて、残業規制を病院がするのではないかと思います。
将来的に上限を下げるとして、それに向けて現在の5年の猶予期間を有効に使うような方針も見えてこないのは残念。。。