メルカリが理想とする商品との“出会い”--研究開発組織「R4D」トップに聞く
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注目のコメント
メルカリにはCTOとVP of Engineeringの方がいながら、CPOの方もいることが気になっていました。
CTOは技術マネジメント、VP of Engineeringは組織マネジメントが役割と理解していて、CPOの役割はあまりわかってなかったのですが、「全プロダクトを横断的に見ながら将来的な戦略を描く」という重要な役割があるのですね。
このポジションは短期的に見ると緊急ではないもののかなり重要で、自社にはそのポストに人がいないことに危機感を持ちました。
「社会のIT化が1990〜2000年代に起きましたが、次の5〜10年はAI化が急激に進むと考えています。この波に乗り遅れるとIT化に対応できなかった企業が消え去ったのと同じことが起きるのではないかと思います。」これは刺さります。色々な事業を中止にしているメルカリは、ここにリソースを割いていたんですね。単なるフリマアプリとあなどっていてはダメですね。素晴らしい。とは言え、本当に難しいのは、本稿の「未来感」を研究の主要テーマにしてしまっている場合です。潤沢なキャッシュをあてこめる企業なら別ですが、新興企業がそこに手を出すと、いずれ難しい選択を迫られます。それは、いつ実現・応用できるのか、というスケジュールです。おそらく、(アマゾンやグーグルがやっているであろうテーマを)かなり先取りしながら触っているという感じがしました。
技術開発の道筋を、事業を傍目でにらみながらコントロールすることがいかに難しいか、技術移転に関わった時に痛感しました。研究テーマを絞り、「サイズ感の方向」に落とし込めれば正解です。たとえば半導体の集積密度を上げるという、サイズの向上を目指すのであれば、効率のいい研究となります。カメラAIのブランド認識率を倍増させるなどもそれに該当するでしょう。そうした方向性が漠然と広がってしまうようだと、途端にスケジュールが立てられなくなり、成果が見えなくなります。新興企業であるメルカリを応援したいがゆえに、その研究開発のどツボにはまらないよう気をつけてほしいですね。CNET Japan年末年始インタビューの第3弾はメルカリです。偶然にも、第1弾のサイバー藤田社長と同じく、「技術」の切り口で研究開発トップの濱田さんにお話を聞きました。「理想とする商品との出会い方」に対する答えは、未来感がありつつも、ぜひ実現して欲しいなぁと思うものでした。