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近畿地方の空港整備においては、まずは伊丹の騒音が問題となっており、大阪湾上に新空港を検討したところ、大阪湾沿いの(淡路島を含め)すべての自治体からNOを突きつけられた、という過去があります。
国はどうにか泉南地域の自治体を口説き落とし、ようやく1980年代になり現在の関西空港の構想が具体化してきました。しかしながら伊丹廃港が前提であるかのような説明があったのに対して、ジェット機の進化により騒音が低減されてきたことから関西経済界は伊丹の存続を前提とした動きに変わってきたほか、関西空港整備の動きに慌てた神戸市や兵庫県が神戸空港を構想・推進してきたという経緯があり、泉南地域にとっては当初とは随分と違う方向に物事が進んでしまった、という経緯があります。

万博も決まり、需要は旺盛であると考えられますし、今や伊丹・神戸・関空の運用はすべて関西エアポートが一元管理しているわけですので、歴史的背景は一旦切り離して、前を向いて話を進めることが重要であるように思われます。
関西エアポートとしては、まずは関空の防災機能を強化し、伊丹と神戸で国際線を肩代わりするなどということにならないよう全力を尽くすのが先だと考えているでしょうし、泉南地域の自治体に一定の配慮を示す必要もあります。ただ、今回の会議ではちゃっかりと伊丹と神戸の運用時間や発着枠の拡大には言及している模様です(毎日新聞)。

座長を務めた関西経済連合会の松本会長は、「伊丹に10分遅刻したから関西に行くなどというのは、まずやめましょう」と伊丹の運用時間制限の緩和について言及しており、当面はこの辺りから話が進むものと思われます。伊丹は現在国内線の小型機が中心となって運航していて、LCCよりも過密なスケジュールの機材繰りということは珍しくありません。どこかで一つ遅延すると、玉突きで遅れるのが日常となっているため、伊丹の運用時間制限に対して手が入れられるとなると、利用者にとっては多少遅れても伊丹に到着できるというメリットがあります。
関西の3空港は、それぞれ自らの利益だけではなく、大阪万博を控え、「関西全体の活性化」のためにどうするのがいいのかを考えていくべきだと思います。
伊丹も神戸も運用時間や発着便に上限がある今を考えると、地元との交渉大変でしょうが、関西としてのポテンシャルをまだまだ感じますね。
関空を強化したい関西エアと、伊丹・神戸両空港の強化をしたい自治体との間の思惑の違いが、今後どう推移していくのか個人的に注目しています。