この連載について
プロピッカーなど各分野の有識者が日々ウオッチしている専門分野の「2019年」を大胆に予測。ビジネス、テクノロジー、政治経済、世界情勢、働き方など、各カテゴリーで2019年のトレンドになりそうなムーブメントや知っておきたいビジネスのヒントを指し示す。
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広告会社国内2位。持株会社傘下に博報堂、大広、読売広告社の広告事業会社。国内売上が中心。業種別では自動車、飲料・嗜好品、情報・通信が多い。チャネル別ではTV、インターネットメディアが中心。アジアを中心とした新興国での体制強化に注力。M&Aも活用する。
時価総額
5,395 億円
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日本最大手の広告代理店。広告収入を柱とした民間放送局のビジネスモデル確立に貢献。2012年以降は積極的なM&Aで海外の広告会社を傘下に加え、規模を拡大。
時価総額
1.14 兆円
業績
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一方で、博報堂は電通ほどのメディア支配力得ることが出来ない。そこで80年代はクリエイティブに力を入れ、少ない出稿量でもより多くのマインドシェアを獲得することに注力し、90年代には消費者データに着目したマーケティング力を強化、各業界の2位以下の企業のマーケティングパートナーとなることを志した。いわば弱者の戦略である。
フィー制の導入はそんな流れの中、博報堂にとっての二大クライアントである日産、マツダが外資傘下となりパートナー制を敷くようになったのも、博報堂がフィー制を取り入れ始める契機となった。この時期、博報堂に在籍していた私自身、マツダを始めとして多くの広告主とフィーでの仕事をさせていただいた。
もはやメディア確保自体がソリューションとなる時代は過ぎ去ろうとしている。あくまでマーケティング上の多様な課題を解決すること自体がソリューションとして求められている。本記事に書いてあることは既に2000年代初頭には分かっていたことだ。
博報堂は上記のような背景があったため、フィー取引にも積極的になれる素地があった。しかし、それでも地上波TVの広告枠が寡占状態で、単価も高く、かつ価格決定権が完全にTV局+広告会社に握られている現時点では、未だにTVは広告代理店にとっては「儲かる」ビジネスとなっている。
現実問題、未だにTVCMのリーチ力と話題喚起力、その結果としての消費者のブランドマインドシェア獲得力は、数億規模での予算で考えると他メディアに対して相対的に高く、大企業のTV依存は続いている。一方でそこまでの予算規模を投じることの出来ない企業にとっては、博報堂が弱者の戦略として注力したクリエィティブや各種マーケティング施策の立案・実行能力が、広告会社に求めるソリューションとなる。
そういった、言ってみれば当たり前のことが、繰り返し繰り返し行われ、少しずつ広告業界が変化して行ってることを改めて今も議論されているに過ぎない。
不動産業の強みは一等地の独占や寡占。でもその独占した土地を再開発し続けて魅力のある街を作ってきました。丸の内は三菱が、渋谷から西は東急が、日本橋は三井が。
広告枠の独占は崩れつつありますね。地上波テレビはインターネットに侵食されつつあります。
10年先どうなるのでしょう?
ダウンサイドのトレンドでは、企業はどうしてもボトムライン(利益)を優先するため、効率化(コンサル)がスポットライトが当たる。
一方、一度底を打ち、これから上がるしかない!となると、やっぱり新しいものを作れる人が必要ということ。
反対にいうとプラットフォーマーは「クリエイターファースト」じゃないと勝てない。
広告屋が必ずしも、クリエイターだとは限らないのが面白いところですが、これから電博出身者の活躍が増えていきそう!と思えた記事でした。面白かったです😊
この数年の変化のスピードは凄いですね。
クリエィティブディレクター3.0が全国で30人くらい
と書いてありますが、その通りでできる人と
できない人の差が広がっていくと感じてます。
この部分はスポーツ選手をしていて感じています。主義主張、思想信念があるからこそ人を惹きつけるし、価値が生まれます。ただスポーツだけして活躍すればいい時代は終わった。
一方で、メディアの多様化という農地改革で、既存の地主以外にも、多くの地主が現れ、中には強い力を持つプレーヤーも出てくるのは、既にはじまっている。
Abemaはその代表で、そこへの出資は、取り込むという意味で良手とでるか、的に塩を送るという意味で悪手とでるか?!
『これまでのフィーや、メディアマージンといった足し算の稼ぎ方ではなく、ファイナンスの知識を取り入れた掛け算の稼ぎ方が求められるし、広がっていくだろう。』
優秀な人が集まることで、相互に刺激しあい、支援しあうような環境が「会社」にあった。その恩恵を、会社に属さなくても得やすくなってきている。もしかしたら、会社に属さないほうが得やすいのかもしれない。
「カンパニーからコミュニティへ」
「『働き方改革』よりも『稼ぎ方』改革」
「クリエイティブディレクター3.0」
といったキーワードには納得感があります。
企業からの人材の「拡散」は、楽しみにしていることです。
企業はこれを「卒業」として、あたたかく送り出せるといい。