【迫真】ゴーンを刺した「腹心」ブルータス西川廣人の素顔
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緊急特集「ゴーン事変」本日は、会見でゴーン長期政権の弊害をとうとうと語ったゴーンの腹心・西川社長とは何者か、その素顔をお届けします。
東大卒で数字には無茶苦茶強く、命令を忠実に実行する実務能力に長ける一方、とにかく冷徹で、日産の誰に聞いても「人望は薄い」と口を揃えます。
ゴーン長期政権で上り詰めた「ゴーン・チルドレン」の筆頭格でしたが、ゴーンを追放した胆力には誰もが度肝を抜かれたはず。そんな彼のキャリアの軌跡を、ベテランジャーナリストの佃義夫氏が辿ります。【人事戦略デザイナーの視点】
堅物だ、合理主義者だ、ドライだ、人望がない、等々さんざんな書かれ方をしていますが、私の印象もその通りです!笑
西川さんが購買部長だった時に、ある会議でお話ししたのが最初でした。約18年前くらい。
その時は、現在よりは多少まろやかな印象でした。
当時から変わらないののは、合理的な判断をするという基本的な特性。
西川さんへの評価の数々は、人事評価で言うところ個人の主観的意見ですが、人となりを知るには良い表現かと思います。
人事制度でも経営戦略でも、『決めたことを最後までやり抜く』という能力は、昨今の欧米流コンピテンシーをもてはやす風潮では評価されにくいですが、実は事業継続にとって一番大事なことではないかと思います。
某アメリカのEVメーカーのリーダーシップの発揮方法とは真逆ですが、西川さんのマネジメントスタイルは日本風の質実剛健さが出ていて、個人的には好きです。
最初の記者会見の時、日産の広報戦略の失敗というコメントをどこかで拝見しましたが、私は違う見方をしています。
西川さん、覚悟決めたな、という印象です。最初から最後までひとりで会見を乗り切ったのは、すべての責任を自分一人でかぶるという決意の表れと見ました。
親会社のCEOを更迭したわけですから、ひとつやり方を間違えれば自分の首が飛びます。
それでも、今日産が守るべきものがあると、西川さんは判断されたのではないかと思います。
西川さんのことを、好きか嫌いかと聞かれれば、好きではなかったです(笑)が、今回の漢気にはちょっと惚れました。ドライであること自体は悪いことではない。
企業経営においてトップは、トレードオフの決定だらけ。そのなかで情理も重要だが、情理ばかりで船全体が沈没してしまっては元も子もない。
人望については、直接的なかかわりが少ないほど、印象で判断されがち。トップとして印象が重要なのは間違いない。でも、ドライであってもスキルや考えの深さなどから人望を集めることは、特に近しい人からはできる。そして近しい人から人望(ゴマスリでなく)が集まっていれば、経営チームとしてまとまる。
個人的には、大企業でトップに上がっていくことは、とても難しいことだと思っている。そのなかで西川氏について、ここまでのポジションにまで上がっている。合理的というのは日産の経営を考えると間違いないのだろう。
またゴーン氏と本当にそりが合わなければ20年近くも一緒に側近として働くことは、普通はできないのではないかと思う。
だからこそ、今回のゴーン氏の容疑や背景について、現場と報道で圧倒的な情報差もあるのだろうとも思う。
報道ベースで流れてくる容疑では、日産の個社の問題としての解任にはなっても、容疑として立件するのはそんなに簡単ではないと思う。また、容疑が事実とすれば、逮捕された2名にすべての責任が寄せられるものではなく、取締役中心に関係者にも責任(少なくともガバナンス上の課題として)が及ぶレベル。
それを「合理的」と言われる西川氏が理解していないはずもない。
また、これまで20年近く仕えてきたトップで、少なくとも日産を経営危機から「合理的」に救ったトップを切りに行くというのも、自らがトップになりたいといったレベルの欲求で出来るようなことではないと思う。
いつか、全部の文脈が明らかになれば、是非その資料を読んで検証をしたい。