ルノー出資比率引き下げも選択肢と日産幹部
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注目のコメント
こちらの記事をお借りして、日産のIR資料への別の視点でのアプローチについてコメントさせて頂きます。
Katoさんや他の方たちは昨日から有価証券報告書を詳細に確認されて、ニュースが出るたびに、有価証券の中に記載がないということで、疑問が深まっていく状況だったので、私は別のアプローチをしてみました。
https://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/BUSINESS/2016/
日産のIRサイトのIRライブラリーというところを見ると、(株主通信/報告書)という項目があります。そこは今回の記載漏れがあったという報酬の実態であると言われているSARが導入された2003年まで遡ってみることが出来ます。
ご参考までに、2003年の株主報告書を見てみると、「また、取締役6名に対し平成15年6月19日開催の第104回定時株主総会の決議に基づき、株価連動型インセンティブ受領権を、同決議により承認された当社普通株式600万株相当数のうち440万株相当数を付与いたしました。なお、同受領権の額は、被付与者の業績目標の達成度により行使可能権利数が変動し、金額の算定が困難であるため、上記報酬等の額には含まれておりません。」と記載があります。
注目して頂きたい点は、ある年からこのサイト上に、この株主報告書がここに開示されなくなったことです。
2003年頃のは日産はIRの開示資料がかなり充実していました。
監査役就任の依頼などを受ける時に、私が確認をするのはこの投資家向けの開示資料のレベル感です。開示レベルが下がるということは何か理由があることが多いのです(実は上がっていても良くなっているという証拠にはなりません⇒やましいので開示が多くなることもあります)。
これを見ると、日産はゴーン氏が入ってから最初は開示が充実していましたが、年を経ると共に開示レベルが下がっていることがよく分かりました。
ルノーと機関投資家を合わせると議決権行使もブレない会社であることが、大株主一覧表を見てよく分かります。
今の日産の幹部に色々評論する権利があるのかどうかは分かりませんが、日産の株主構成がいびつであることは色々な面に影響があることは事実ですね。何をもって「フェア」というのかが分かりませんが、かつて会社が傾いてルノーに助けてもらったのは事実。
しかし今は「CASE」の大きな流れの中で、ルノーという会社の傘下にいることのメリットはあまりない。
増資してルノー持ち分を希釈化するなり、ルノー株を買い増して拒否権を持つなりを当然考えるでしょうね。
これからは資本関係など乗り越えてアライアンスをやっていかないと生き残れません。最重要要素だが、今メディアに対して話すべきトピックではない。特に「フェア」という論点は、今ではない。
日産・Renault・仏政府の、株主構成を巡る構成は、ガバナンスであったり、日産の独立性や利益配分について重要な論点。
ゴーン氏の容疑はともかく、感情面でも実利面でも、様々な主体に間違いなく影響を与える要素。
ただ、両方のトップでアライアンストップであるゴーン氏が逮捕された今、「フェア」か否かという議論を、少なくともこうやってマスコミに対してするタイミングでは、全くないと思う。
アライアンスは維持したいと曲がりなりにも昨日の社長会見で言っているわけだし…幹部、誰だろう…
日産・Renault・仏政府の文脈については①にでており、また今年のRenault CEOの再選などの文脈含めてコメントをした。
そしてこの持分がRenaultの利益を支えているからこそ、本丸の日産ではなくRenaultのほうが株価が下がっている(②)。
①https://newspicks.com/news/3473719
②https://newspicks.com/news/3475884