元ノバルティス社員、二審も無罪 論文データ改ざん、広告当たらず
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いわゆる「ディオバン事件」関連の裁判について報じられています。
論文データの改ざんは、このディオバン事件に関わらず、世界中で生じていると考えられています。科学論文の半数が多かれ少なかれこのようなデータ改ざんの問題を抱えていると主張する有識者すら存在します。
この背景には、裁判の主題になっているような企業利益の問題に限らず、結果を出したいという科学者としての心理、有名論文に掲載される名誉、地位の昇格、医師・企業の癒着など、様々な要因が見え隠れします。
我々臨床医は、NewsPicksでよく目にする基礎研究の結果というのは勉強の目的にとどめ、患者さんへの適用はしません。一方で臨床研究の結果は直接患者さんへ適用することも多く、それにあたっては、critical appraisal、論文の批判的吟味を十分に行います。しかし、忙しい毎日の中で巧みに構築されたトリックを見抜けないことなど容易に起こりえます。
臨床研究のデータ改ざんは、時に患者さんの命に直結する問題です。お金や名誉が、命を奪うこともあるのです。その事実を医師、科学者、製薬企業は決して忘れてはいけません。よくある事であるが、司法判断と社会的契約の相違が感じられる問題だ。薬事法そのものに意見するつもりは無いが、アカデミシャンの端くれとして物申せば、学術論文のデータ改ざんは、社会的契約に照らせば完璧なアウトでしょう。薬事法に抵触しないから、論文データ改ざんは認められるような風潮にしてはいけない。