ソフトバンクの新規上場「メリット」「デメリット」を読み解く
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ソフトバンクIPOを寄稿しました。
ご高覧いただければ幸いです。
現在ランキング1位です。深く御礼申し上げます。
引用
解釈判断を要することなく、概ね一般的な上場審査基準の要件を十分満たしていると考えられ、短期間にこの規模感の人事・取引解消を仕上げてきたことについては、上場プロジェクトメンバーに敬意を表したい。コングロマリットディスカウントの話があるが、IPOをベースとして、ソフトバンクグループの資産価値を計算してみたい。
結論としては、まだまだ資産ベースではディスカウントが大きく残る。
まず、ソフトバンクグループの11月16日(金)時点での時価総額は9.7兆円。
そして、以下が現在持っているAlibabaとヤフーの持分、そして今回上場するソフトバンク部分。合計して約20.5兆円。有利子負債はグループが18年3月時点で約5兆円でそれを引いて15.5兆円(保有上場子会社もそれぞれ有利子負債を持っていて連結ではもっと大きくなるが、上場子会社はそれぞれのバリュエーションに含まれていると想定)。
時価総額とのギャップで約6兆円、それにビジョンファンドの事業価値や、ソフトバンク本体で保有するUberなどの保有価値がある。
これらを考えると、ディスカウントはまだ大きく残っているとはいえるだろう。
なお、資産は売却すると税金が発生するが、それをどこまで織り込むかは色々な考え方があるので税金部分は無視して考えたが、それでも大きくディスカウントが残っているとはいえるだろう。
Alibaba:時価総額45兆円×29.0%→13.05兆円
※議決権ベース。本体から18.5%保有する以外にSkywalkなどいくつかSPCも通して持っている
Sprint:2.9兆円×84.7%=2.45兆円
※T-mobileと4:6の比率で合併するが、それを織り込んだ時価総額になっていると仮定
ヤフー:時価総額1.6兆円×35.61%→5700億円
※上場するSBも11.92%保有するが、それはSBの資産価値と考える
ソフトバンク:想定時価総額7.2兆円×63%→4.5兆円限られたスペースで、一般向けに金融のネタを正確に議論するのはなかなか難しいと思います。
ちなみにソフトバンクGrでは今の株価と一株あたりの保有資産-負債の数値が比較されています。
https://group.softbank/corp/irinfo/stock/stock_value/
それなりによく考えられていると思いますので、金融に詳しくない方は(計算の前提の合理性も考えて)じっくりと読み込んでいただけるとよろしいかと思います。ただ、保有株式売却時のコントロールプレミアムの考え方が抜けていること(保守的に見れば約定がない限りプラス評価しないほうが保守的)、株式売却時のキャピタルゲイン課税が抜けていること(税金を引くべき)など完全とは言えません。KKがIPOすると含み益が加わり、おそらく負債も減りますね。税金を勘案すると景色が変わります。
土曜なのでこの辺でご勘弁を。