この連載について
創業40年近い、老舗IT企業であるアドビが、猛烈な勢いで「再成長」している。世界のクリエイターを熱狂させ、マーケティングの世界でも強さを見せる、この企業の爆走の背景には、5年前の抜本改革があった。その最前線をレポートする。
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Adobe provides content creation, document management, and digital marketing and advertising software and services to creative professionals and marketers for creating, managing, delivering, measuring, optimizing and engaging with compelling content multiple operating systems, devices and media.
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ならば直接聞きに行くべしと、マルケトの福田さんに、マーケティング・オートメーションの基礎中の基礎とアドビ買収後の展望について聞いてきました。
実は、全く人種が異なる記者業と営業も、実はネタを取る、受注を取るまでの流れは似ていると指摘されることが極稀にありますが、この記者取材の流れがオートメーションされることはあるのだろうか、と深夜に原稿を書きながら思いました。
顧客とのタッチポイントの一つには、リアルの媒体…4マス、チラシ、OOHと呼ばれる交通広告などの屋外媒体、それにイベント…などもありますが、今やこうしたリアルな活動の裏にもカスタマージャーニーによるマーケティング戦略構築とそのアジャイルな思想にのっとったシステムによるサポートが必須です。そしてデジタル接点より強い体験も多いですので。DMP→SFA/MA→CRMの概念は確実に抑えておく必要がある。
マルケトはMAシステムですからDMPを取り込むところからCRMに渡すところまでが担当のシステムですね。
様々なデジタル媒体を組み合わせて、お客様の行動を見ることで、効率的にお客様へのアプローチをする。お客様候補の気持ちを高めていく、行動で相手の気持ちが高まったことを知ったなら(勝手に高まってくれる人も多い)営業に渡し、今熱い人にアプローチさせる、という二つの機能を実現するもの。
このためには自社の顧客情報が何よりも大事な先生データになってきますので、CRM不在のMAは基本オススメ出来ないんですよね〜。もったいなさ過ぎる。
なぜ日本ではMAがまずはやってる(と思うんですがw)のか?わかりやすくHowが見えるところにその原因があると見ています。ブランドの議論が外見の意味合いでのデザインと強く結びついてしまっているのに似ていますね。WhatとWhyを担える調整型じゃない専門家が必要なんですがねぇ…
マーケティングオートメーションを数年前に研究した時に感じた決定的な日米の違いは会社の所在地のバラつきでした。日本はほぼ東京に集中しており、大阪、名古屋と順次出店していくとどんどん規模が小さくなります。アメリカはもちろんニューヨークやサンフランシスコは大きいのですが、シアトルにも、ボストンにもフェニックスにも大きな企業があり、日本でいう根性営業が根本的に成り立たないですよね。インサイドセールスが分業したのも、展示会が貴重な営業機会なのもそこに依拠していると感じました。MAツールは必然でした。
Adobeのキーワードは「クリエイティビティの民主化」だと思うが、この比率の変化は「情報の民主化」だと思う。情報がウェブ上で爆発的に増えるなかで、提供者側だけでなく実際に使用しているユーザーの声もリーチしやすくなり、そして検索エンジンで簡単にたどり着けるようになっている。また提供者側もウェブアナリティクスによって、購買検討に必要な情報、分かりやすい情報を提供できているのか、検証・改善がしやすくなっている。
それが、営業プロセスの科学化、そして分業化による効率改善にもつながっていると思う。最近下記のTweetをみたのだが、自分は真偽が判断できるわけではないが、なかなかの衝撃。
https://twitter.com/nishiyama620/status/1057086713862877184?s=21
Adobeがマルケトを買収した意味は、クリエイティブとマーケティングの統合だと認識しています。
MA導入で失敗するケースは、シナリオを組んでも、「コンテンツをつくれない=ユーザー体験に落とし込めない」というものが多い。
なので、Adobeと連携して、クリエイティブ部分の補助が入る→上質なユーザー体験の設計ができるようになることはマーケターにとってすごく助かる動き。
ただ、デザインデータとマーケティングデータが統合されて、現場で活用できるのは数年先になると思う。
今後もデザインとマーケティングの境界線を溶かしてくれそうなAdobeの動きに期待!
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2004年ごろにウェブのマーケティングが台頭してきて、マーケティング、インサイドセールス、営業という分業体制の取り組みが始まってきたんですね。ウェブサイトに来た訪問者全体から見込み客を、インサイドセールス(内勤営業)がフォローして、営業に案件でつなげ、最後に受注に結びつけていく体制です。
この時期はアメリカでインサイドセールスが、一気に普及し始めました。2001年の同時多発テロで、飛行機で営業に行くことが減って、ウェブ会議が激的に普及し始めたことも背景にあります。
Adobeが買収したマルケトはマーケティングオートメーションが得意。これまで営業パワーに頼っていたところを、デジタル化、自動化、省力化したということです。
サイトの回遊状況からその人の目的やニーズを拾い出し、パーソナルな商品やサービスをリコメンドする。それが簡単にできるようになっているのですね。そのためには、サイトの設計がとても大切だと思いました。
ここでデジマの雄・Adobeが動いてきたことには注目したいですね。