定員割れ私立大に財務省「補助金減らす」提言へ
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定員割れ私大の補助金を減らすことに反対はしませんが、率直なところ最近の動きは近視眼的であると感じています。
思いつくままに課題を挙げておくと、
①毎年続く改訂はその対応のみでも労力を要し、大学にとって無駄な負荷となる。
②大幅な定員割れをしているのは殆どが地方大学。よく大学数が多すぎるとの意見があるが地方は数校しかない地域が多くある。地方学生への教育機会は確保され得るのかどうか。
③定員割れ大学の補助金カットは、経営困難に陥っている場合は息の根を止める処置となる。その場合の学生のセーフティーネットが十分に整備されていない。
例えば①は確か今年度も定員割れの減額率は変更があった気が。うろ覚えなので、詳しくは下記に譲ります。今年1月の記事ですが、デジャヴのようです。
「次年度からの私学助成-定員割れの減額率を上げ、教育の質で増額も」
http://between.shinken-ad.co.jp/univ/2018/01/shigakujosei.html
②は既に県別での大学進学率に大きな差があるので、これが広がることが予見され、それを補填する術を国立大学が持ち得るのかどうか。
③は例えば学籍簿。母校がなくなった場合の卒業証明書を何処が出すのか。
トータルで補助金を絞りたいことは理解できますし、自助努力のない大学に出すべきでもない。ただグランドデザインがない中で毎年の減額話。最近は定員割れだけでなく、定員を超えても減額ですから、入学者シミュレーションに各大学ものすごい労力をつぎ込んでいます。この労力、教育に注ぎたいなといつも思ってしまいます。大学を増やしすぎというが、もともと厳格だった大学設置基準を90年代の規制緩和によって大綱化し、増えやすくしたことを想起したい。増えやすくしたのに、増えたから補助金減額という付け焼き刃でよいのか。あと繰り返しだが、都市/地域間、男女間で大学進学率に大きな格差がある。研究者のキャリアという意味では若手のポストも圧倒的に不足している。むしろ投資が必要ではないか。
※追記
あとここで書かれているコメントの一部のイノベーティブな案の大半は文科省の規制、大学設置基準等で現状、実施困難です。小泉内閣の時期、国立大学の法人化や株式会社立の大学参入緩和等がありましたが、「民間経営」では立ち行かず撤退が相次ぎ、規制強化が行われたことも念頭に置いてもよいでしょう。民間感覚は重要ですが、意外とうまくいかなかった過去と、それから研究教育を理解せずに≒現場経験も、学位もないままに参入してやはりうまくいかないということでしょう。実は少なくない文科省の役人もこの点は同様ともいえますが。