病気になる理由なんてない。
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非常に好感のもてる文章です。患者さんが前を向いて治療に専念できるように、心の支援をすることはとても大事です。短絡的に環境因子のみのせいにして患者を責めることは、医療現場でよく見かける光景です。気持ちは分かりますが、それは不適切。
私が専門にしているリウマチ膠原病は、若い女性が多く、病気になった理由についてよく聞かれます。患者さんも家族もそこは非常にセンシティブです。
例えばインフルエンザをきっかけに膠原病を発症したとします。他の病気と同様に、多くの膠原病は遺伝的因子と環境因子の両方が関係します。この場合、環境因子がインフルエンザにあたります。環境因子のみに意識をもっていかれると、あのとき外出しなければ、あの人にインフルエンザをうつされなければ、と後悔します。これでは治療になりません。
そこで私はこう説明します。膠原病を発症する人は、もともと遺伝的な素因がある。もともと何かをきっかけに病気になりやすい体質なので、例えインフルエンザに罹患しなくても、いずれ風邪か何かの免疫の刺激で病気を発症していたと思います。さらに必要に応じて、分かっている限りの専門的な免疫学的機序まで図に書きながら解説します。
環境因子と遺伝的因子の論理は、肺がんも糖尿病も心筋梗塞も同じです。病気になる理由はそこにあります。専門領域のコメント依頼が来ました笑
守本先生!
ご活躍はいつも日経メディカルなどを通して拝見しています。
個人的には、「んーそうですねーどうでしょうねー」とワンクッションを挟んで、一般的な原因をお伝えします。
でも人間の体なので、ということで、何が要因になったのかはこの場では確定できない、と伝えた後に、「どう思われますか?」と聞いているような気がします。
やはり専門家の意見というのを聴きたいでしょうから。
我々は医学という科学でものを話しますが、結局のところ医療はコミュニケーションという「納得」にも大いにかかっている。
あくまで民間野戦病院で過ごした個人の経験ですが、現実を納得した上で、今できることや、今後のことを一緒に話し合っていく姿勢へ持っていくと、非常に良好な治療関係を築いていけた気がします。
またお会い出来るのを楽しみにしています!病気になる理由は実はありません。というと驚くと思います。もちろん、高血圧やがん検診を受けると病気になるリスクは下がります。でも絶対ならないわけではないんです。じゃあ、なんで私が病気になったの?というN=1問題、つまり病気になったその人からすると、そういう疑問が生まれてくるわけです。でも、その理由は今の所わからない。
そういう人たちに僕たちはどう接すればいいんだろうかという問いを立ててみました。
追伸 様々なドクターにコメントいただき恐縮です。いろんなやり方、伝え方があって、まさしく医療はサイエンスのみならず、アートと言われる部分だなあと思いました。
多くの反響いただきびっくりしてます。また医師として問いを多くの方に向かって投げかけられたらなぁと思います。