イラク南部、大型ODA始動へ 製油プラント新設、3千億円超
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イラクは、原油を精製する設備を必要としています。原油は、精製しないとガソリンなどとして使えないですが、イラクは自国では十分にできないため、イランに原油を輸送して精製してもらっています。イラクは、その膨大な石油埋蔵量にもかかわらず、国民の生活は困窮を深めつつあります。原因としては、一つには、埋蔵されている原油を採掘するための油田開発が進んでいないということもありますが、もう一つは採掘した原油を外国に輸出するばかりで、自国のガソリンや火力発電に活用することができていない、ということもあります。いずれも2003年のイラク戦争後の政府の混乱と内紛、無能によるところです。ガソリンも電気もイランに依存している部分が非常に大きいですが、割高になり、供給が不安定になることもあります。
イラク戦争前は、日本はイラクの主要な貿易相手国でしたが、イラク戦争後、米国が一気に主要な相手国となり、石油も米国のメジャーが扱うところとなりました。その後、石油の開発と石化製品の供給がうまくいかなくなりました。次いで、イラクの石油産業に大きく関わるようになったのはイランで、今は中国の石油企業がシェアを広げつつあります。
油田の豊富なイラクの南部地域ですが、現在は現地住民が水や電気の不足をきっかけに大規模な抗議行動を繰り広げており、中央政府からの自立の姿勢すら示しています。多数の死者が出ていて、米国なども領事館を閉鎖しました。この問題の解決のためにこそ原油の精製施設が必要ともいえますが、情勢がどう転ぶかわからない地域ではあります。フセイン氏を全面的に支持するわけではないけれど、昔のような日本とイラクの蜜月に戻ってほしいですね。
また、この事業を通して、日本の技術だけでなく様々な良いところも伝えていってほしいです。