羽田空港 新飛行ルート 日米の調整難航で運用できないおそれ
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注目のコメント
この記事で感じたのは2点。
1)東京の上空は事実上、日本の主権のおよばない空間に概ね占められている。基地の問題は沖縄だけではない。東京の人は知らない、もしくは見て見ぬ振りをしているだけ。
2)突然アメリカ軍の方針が変わったのは、東アジア情勢が緊迫しているからではないのか。貿易交渉など、最近のアメリカを中心とした中国包囲網との関係は。米軍幹部のグレーウォー発言も気になる。横田基地のレーダー管制空域(横田ラプコン)が、さも米軍のみしか使えない立入禁止区域であるかのような言い方がされることがありますが、実際にはそうではありません。しかしたしかに日本側の意向のみで自由に大量の飛行機を飛ばせる空域ではなく、そのあたりに日米の微妙な力関係が反映された空域であるという言い方はできると思います。
横田のラプコンは、横田のほか入間や厚木といった他の基地や、小型自家用機を中心としたホンダエアポートを離着陸する飛行機の航空管制を一括して引き受けており、自衛隊機や小型機は特に大きな制限なく飛行することが可能です。以前は羽田を離着陸する民間航空機も一時的に横田ラプコンを通過していた時代があり、日本側の管制官に誘導されるのとなんら変わらずに飛行できていました。それでも横田ラプコンは1992年と2008年に一部が返還されており、効率的な運航ができるようになったとして、羽田関係機が一時的に横田ラプコンを通過する運用も一旦終わりとなった経緯があります。
今回問題となっているのは羽田空港に北方向から進入する際の、新宿や池袋から北西側にあたる埼玉県にかかるあたりのエリアであり、飛行機は着陸直前で羽田のレーダー管制を離れて管制塔へ受け渡される微妙なタイミングの場所です。実運用として、こんなタイミングでラプコンにいちいち無線連絡をして指示を仰ぐなどというのはナンセンスですから、ラプコンの空域には進入するものの、管制はすべて日本側、という運用を求めたのは無理もありません。しかしそれでは事実上ラプコンの一部返還と同じことをやらせろ、と言っているわけですから、交渉のハードルがそれなりに高いことは国交省や外務省はよくわかっていたはずです。どういう経緯があったのか詳しくは知りませんが、なぜ今頃になって交渉がうまくいかないと騒いでいるのかがよくわかりません。
ラプコンの返還は求めない、としていた昨年の報道の時点で何か怪しいな、なんでこんなことを報道させるのかな、と思っていました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201712/CK2017121002000147.html
この手の問題は、最後は技術的ではなく政治的に蹴りをつけなければ動かないので、なんらかの政治的な動きがあるものと思います。外国人旅行客4000万人のために自国の制空権を取り戻すという歪んだ理屈。
「空飛ぶクルマ」なんて日本の大部分ではムリ。特に、沖縄と東京では自由に飛べる隙間がない。