【独占スクープ】テスラ、ギガ工場「量産地獄」の全真相
コメント
注目のコメント
あくまでインサイダーではなくユーザとして体験した内容からシェア。
量産の目処がついてきたと言われた4月に、実際のところどうなんだろう?とモデル3の予約を自分で新規に入れ、顧客とのコミュニケーションを見てみました。その時世間はまだ大いに疑いの声でした。結局わずか3ヶ月後の7月に拍子抜けするほど早く私のモデル3は届きました。
ここには少しトリックがあって、当初モデル3は「お手頃価格」として量産価格で登場しました。しかしテスラは早期に予約をいれた$35,000普及モデルの顧客は後回しに、Model 3 Performance というこの時新たなシリーズとして出てきたバッテリー容量もモーターもガッツリ積んだモデルの生産出荷を優先し届けています。現在でもこれならなんと新規オーダーから1、2ヶ月程度で届きます(値段は倍します)。
利益率はおそらく高いでしょうし、価格コンシャスではないユーザにモデルSを超えるハイパフォーマンスを早期に提供し、モデル3の大絶賛口コミや記事を連発させ(たしかに凄くいい)、イーロンのツイッターでも「Model 3 Performance は最高だ。超絶オススメする」と度々プッシュ。それをフラッグシップに普及帯のモデル3を売っていくという作戦に完全に切り替えています。
今やモデル3の製品ポジショニングも「お手頃(affordable)」とは決して言わず、店頭の販売員にも徹底させ「長距離モデルと言え(longer range)」と。今は当初誇大広告のような$35,000は標準リストから消え去り、巷では「現実には存在しない商品」と揶揄されています。デフォルトでバッテリー大容量モデルからとなり(あたかも大容量以外存在しないかのように)、もし最安値の当初宣伝のモデル3が欲しければ相変わらず1年くらい待ってね、という潔い変わりよう。
つまり現在注文を受け付けているのはバッテリー容量が当初の約1.5倍となり、さらにもともと予約した人を追い越して大容量モデルを出荷しますから、皆1年待つよりも納期が比較にならないほど早い大容量バッテリー買うわけです。
ということで台数の割には、当初より大量にバッテリーが必要なんです。世界最大の電池工場でありながら、その実像は「秘密」に包まれたテスラのギガファクトリー。これまで膨大な量の報道が出ていますが、その内情は明らかにされてきませんでした。
NewsPicks編集部は、日米で、ギガファクトリーに出入りするテスラ関係者や共同出資者であるパナソニック幹部ら約10人に総力取材をかけ、まだ知られてないその最先端の内情をレポートしています。
電池工場なんて普段は程遠い存在かもしれませんが、ここで発生しているダイナミックな拮抗は、次の電気自動車の未来を見据える上でも、注目しておいて損はありません。テスラのEV戦略の最終フェーズ、「モデル3」。EVの頭文字「E」をとった「モデルE」という名称をフォードに奪われた結果、苦肉の「Ⅲ(Eの横文字版)」にしたというストーリーは、まさしく100年続いたフォード「モデルT」に始まるガソリン時代を終わらせようとする、テスラとイーロンの壮大な野望と言えます。
だからこそ、誰も乗り越えたことのないEVの量産という地獄にどっぷりつかったストレスは、われわれ常人には想像すら難しいのかもしれません。ここ最近のイーロンの常軌を逸した言動を巡る報道は数多くありますが、NewsPicksでは、まずは量産地獄の全貌ついて独自のファクトを集め、その実態に迫りました。
果たして内部で何が起きていたのか。第一回は、誰も知らない「テスラ・インサイド」について独占スクープをお届けします。