逆エージェンシー問題 : 池田信夫 blog
池田信夫 blog
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古い記事だが、読み返したら今の仕事のヒントになったのでピック。
“経済学の教科書では、プリンシパル(依頼人)がエージェント(代理人)をコントロールできないことがエージェンシー問題として分析されるが、ここでは官僚(エージェント)が大臣(プリンシパル)をコントロールする逆エージェンシー問題が発生している。”
企業の現場で全社規模の業務改革プロジェクトをやっているといつもぶち当たるのがこの問題(官僚=現場、大臣=改革PJオーナーと読み替えると、そのまま問題提起として成立する)。どんなに全体最適を目指しても、結局現場の力に負けた挙句、局所最適化の寄せ集めに成り下がり成果が出ないケースが多い。
“官庁では政策を起案するのは課長補佐で、部内の根回しをするのが課長で、政治家と交渉するのは局長という逆ピラミッドになっている。この構造は、平時にはうまく行く場合も多い。全員の利害が一致していれば、人格円満な上司がボトムアップで現場の意見をくみ上げ、実態に即した政策を立案できるからだ。しかし今回のように路線転換が必要な場合には、既成事実で大きな意思決定を縛っているため、誰にも決定ができない。”
この記事の筆者は、こういった構造は内部から変えることは不可能で、ゼロから制度を立ち上げてプリンシパルとなるしかないと断じている。