トルコ中銀、政策金利24.00%に引き上げ 追加引き締めも示唆
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トルコの通貨リラは今年に入ってから、ドルに対して50%ほど下落を続けてきました。最も有効な対処は、政策金利を上げることであるとは衆目の一致するところでした。本日トルコの中央銀行が政策金利を6.25%上げて24%としたことで、現時点でリラはドルに対して24%上げています。
なお、トルコの中央銀行はその独立性が疑われており、エルドアン大統領の隷下にあるのではないかと見られてきました。しかし、中央銀行の金利上げ発表の同日直前に、エルドアン大統領は金利上げへの反対を表明し、貿易の決済や国内不動産取引にリラを使わねばならないようにすることで通貨安に対処するという方針を表明していましt。額面通りにとれば、中央銀行はエルドアン大統領の意向に反して金利上げを断行したことになります。
https://newspicks.com/news/3313942?ref=index
今後、これでトルコの通貨安は反転するのか、インドネシアなど他の新興国で通貨安は止まるのか注目されます。アルゼンチンはすでに大幅な金利上げを行いましたが、他の新興国への波及効果は限られています。まだ予断はできません。結局、大統領が何を言おうと通貨防衛のためにできることは多くない、ということです。これに資本規制とIMF支援も組合わされば安泰ですが、、、
年初来40パー超下落しているわけですから買い戻しは入りやすいでしょうが、そもそもGDP比5パーという経常赤字が米利上げに脆弱であるという構図は変わらないことが重要です。唐鎌さんのおっしゃるとおり、政府・中央銀行として、可能な政策手段が限られている中、大統領としては、何らかの対策を講じるには、中銀に利上げをしてもらう、というのが一番簡単な方策でした。
大統領は表向き「利上げは原因、インフレは結果」と引き続き述べているようですが、裏では、中銀と握っているというのが実態ではないかと思われます。中銀の独立性とインフレの関係はこれまで注目されていた論点ではありますが、リーマン危機以降は、中銀は、政府をみながら政策運営をするというのがある種のトレンドになっているように思います。