安倍晋三首相「採用ルール守ってほしい」 就活ルールの形骸化に苦言
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この発言は間違いなく大学側からの要請からなされたもの。そもそも、大学が就活時期が早いと留年する学生が増えるというお家事情から、就活時期を遅らせて欲しいと嘆願したと聞いている。安倍政権は文科省との繋がりが強く、もともと大学を作りすぎで、定員割れや留年問題により大学経営も行き詰まっている現状があるから就活ルールにこだわるのだろう。もちろん、一部の有名大学にとっては無縁の話だが。以前にも述べたが、就活と大学の学業を両立さえ出来ない学生など、はなっから企業は必要としていない。むしろ、卒業できない事で選別されるからその方が有難いというのが本音! 私は、経団連の就活ルール廃止は、極めて妥当な判断であり、さすが中西会長ならではの英断とみる。
止める政府も経団連もどちらの言い分にも理があるので難しい所です。ただ、やはり大学教育は社会の「写し鏡」であり、今のような総合職採用を当然視している社会では大学での学びも(恐らくは今のように)ファジーな位置づけにしかならないと思います。だからこそレジャーランドであるとか揶揄されてきたはずです。企業が専門性を求めないのだから学生だって勉強しない、という話です。
新卒一括採用、人生40年包括契約とも揶揄される現行制度の在り方が政府・与党の勧める「働き方改革」とバッティングすることは間違いないでしょう。その意味では新卒一括採用のルールが徐々に溶けてなくなっていき、その次に終身雇用・年功賃金にヒビが入り、結果として政府・与党が企図するような雇用規制の緩和、雇用市場の流動化といった未来が見えてくるのだと思います。
入ってから何をやるか分からない「総合職」という働き方で個々人が裁量を確保するのは難しく、裁量の無い個々人に働き方改革もまた難しいのは想像に難くありません。大学で学んだことを就職に活かすのが当たり前の社会へ脱皮するためにも、新卒一括採用の重要なルールが修正されていくのは良い話には思えます。実際に廃止されれば、1953年の「就職協定」から開始された採用のルールがなくなることになります。世界から見ると日本の横並びの就活は奇異に映るかもしれませんが、一方で今、ルールがなくなると学生は勉強どころではなくなります。大学教育がさらに劣化し、それは大きなツケとして社会に回ってきます。徹底した議論が必要です。
就活指針廃止表明の背景には、外資系企業の囲い込み、抜けがけ企業の存在があります。通年採用の企業も増えました。さらに2020年の東京五輪・パラリンピック開催の影響め指摘されています。21年春入社の就活時期と重なるため「競技に大会場が占有され、会社説明会が開けない」と懸念されるからです。
ただ、それにしても、企業側が「大学の成績なんて関係ありません」というメッセージを発するような事態は、やはり避けるべきだと考えます。