【分析】ユニクロ・ニトリ・無印。小売3強の「歴史と未来」

2018/9/9
今、日本の小売業界で目立つのが、ユニクロやニトリ、無印良品など、自ら商品を製造し販売するSPA企業たちだ。なぜ、SPAは強いのか。小売・アパレル業界を長きにわたって観察し、業界の表も裏も知り尽くした気鋭のアナリストが、ユニクロ、ニトリ、無印の歴史とこれからを分析する。
ユニクロ、ニトリ、無印良品。日本を代表するこの3ブランドは、破竹の勢いで成長を続けています。
企業の市場価値を示す時価総額では、小売セクターでユニクロを擁するファーストリテイリングが約5兆2000億円で堂々のトップ。
セブン&アイ、イオンについで、約1兆8000億円でニトリが4位。無印良品を運営する良品計画が約9300億円で7位となっています。
(写真:Bloomberg/Gettyimages)
この3つの企業に共通するのは、メーカーから商品を仕入れるのではなく、全て自社で製造しているという点です。つまり、商品が全てプライベートブランドなのです。
メーカー品を扱っていないためわざわざNBとPBを分けて呼ぶ必要がなく、製造小売業、いわゆるSPAと呼ばれてきました。
しかしこれらの企業こそ、まさに自社製品のみで成長を遂げてきた、「元祖PB企業」です。
本記事では大胆不敵にも、この3つの企業の存在を、流通業界におけるPBの歴史に重ね合わせて再定義することを試みます。