【高岡浩三】生き残るのは1%。メーカー「大淘汰時代」が始まる
コメント
注目のコメント
さすが明快ですね。
消費財の世界では「最寄品」と「買い回り品」という言葉があります。「最寄品」は文字通り最寄の店で買うもの、という意味で、極論すれば何でも良いので近いところで買いたい、という意味です。スーパーで買うもののほとんどはこちらに分類されるので「消費者に想起される本当のブランド以外はPBになり、食品会社の多くは下請けのBtoB企業になる」という論旨は納得感があります。その対抗としては本当のブランドを作り、独自販路を持つこと、としていますが、直販(DTC direct to consumer)は、小売りチェーンへの配慮もあり推進しづらい、というのも多くのメーカーの本音です。そこを思いきって舵を切れるメーカー=本当のブランド力のあるメーカーかどうかが問われるということですねかつてネスレの高岡社長に取材をした際に、「PBが普及すれば、食品や日用品業界はコンビニを中心に再編が起こるだろう」と発言され、それからずっと趣旨を聞いてみたいと思っていました。
高岡社長が言うように、家電業界が辿ったのと同じようにも、食品・日用品の業界でも淘汰の末、BtoBに姿を変える企業が出てくるのでしょう。
記事中にはありませんが、高岡社長に「もし小売の経営者だったら」と伺うと、「セブンの鈴木さんと同じことをしたと思う」とおっしゃられたのが印象的でした。
セブンの鈴木さんは、安かろう悪かろうだったPBを本質をあげて「NBのジェネリック」に変え、セブンプレミアムを1兆円超えのお化けブランドに成長さえています。
小売とメーカーのパワーバランスを決定づけたと言う意味で、鈴木さんが残したものの大きさは計り知れません。今改めて、ご自身の経営者人生の振り返りと、アマゾンやアリババも含めた今後の小売の未来予想について、伺ってみたいです。「早かれ遅かれ、本物のNBを持っていないメーカーは、コンビニにPBを供給するBtoBの会社になるしかない」というのは強烈。
PBがはまりやすいのは、フードやファッションなど、いわゆる非型番といわれる領域。顧客の嗜好が多様で寡占化が進みにくい領域。家電に代表される型番の領域は、まだまだNB中心の世界。
本質は、顧客の趣味嗜好が変化しやすい中で、入り口の顧客接点・インサイト、それをいかした商品開発力、その結果として蓄積されていくブランド力をすべて持っていないと生き残れないということなんでしょうね。
グローバルに見てももっともダイバーシティ経営が進んでいて、ネスプレッソみたいなブランドを生み出せるネスレは本当に強いですね