リアップ後発品ようやく発売、大正製薬独占20年の牙城崩れる
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大正製薬「ファイト!一髪!」という水平展開ブランディングを期待します。
ミノキシジルは臨床試験中の副作用が注目されて、スイッチされたお薬として有名ですね。降圧剤の目的の試験中に毛がすごく生えたとこから、別の臨床試験が組まれて世に出た薬です。作用は違いますがシルデナフィル(バイアグラ)も同様でそういったストーリーは有名です。
今回は、ミノキシジルを有効成分にした第一類医薬品の後発品のお話。この話はとある育毛剤の後発品が出てきたニュースと言うよりも、「医療用医薬品」と「一般用医薬品」の戦略の違いを考えるときにとてもおもしろい事例です。
修正されるかもしれませんが、まず、正確には一般用医薬品に対してジェネリック医薬品という言葉は使いません。記事の一部の表記は間違っていると思います。
大正製薬のリアップは、当時ファイザーからライセンスをもらって一般用医薬品に展開した経緯があり、一般用医薬品にしたことで自分たちで値段が付けられる市場に20年前に参入したことになります。後発品のスカルプDも5%含有量で同じところに勝負をかけたのですが、記事にあるように店舗販売を絞って、オンラインの市場に出たのは20~30代からのマーケットを強く意識したものであると感じます。根本治療ではありませんから、基本的に始めてしまったら長く付き合うお薬にります。7000円前後の価格帯の製品を使い続けるというのはライバルがいても充分に利益が見込めるのではないかと思います。
アンファーは、後発品でも価格は安くしないことから、デジタルマーケティングとブランディングで勝てると見込んでいると思います。有名芸人さんを多用し「スカルプD」というブランドは強いですし、一般用医薬品は宣伝ができるというところが、大きな違いだと思います。医療用医薬品は大衆向けの宣伝はできない決まりなのです。
ほんの数年前までAGAという病名はこれほど有名ではありませんでした。今では電車の中吊りや雑誌、街の中では見ないことはないのでしょうか。
これから薄毛の治療に関してのマーケット全体はまだ成長すると思います。
ミノキシジルが生えるの?という疑問に関しては承認申請時の臨床データが一部公開されていますので興味のある方はデータをご覧になってみてください。
http://www.taisho.co.jp/riup/riupx5/data/脱毛症にはしっかりとしたエビデンスのあるものを皮膚科学会が推奨しています。リアップなどの有効成分ミノキシジルは「外用」なら推奨度A、「内服」は推奨度Dです。これは外用薬ですので、推奨度Aということになります。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf#search=%27%E3%83%9F%E3%83%8E%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%83%AB+%E6%8E%A8%E5%A5%A8%E5%BA%A6%27
基本的にエビデンスがあるのはAGA外来で処方される薬か、ドラッグストアで買えるものだとリアップなどの外用薬という組み合わせになります。ですのでエビデンスのはっきりしないものを使うよりこの商品は「あり」です。
アンファーはシャンプーを売り出した時にあたかも脱毛が改善するかのような印象を持たせるCMを流していてちょっとなぁ・・と思っていたのですが、その辺りは当人達も承知の上でしっかりエビデンスのあるものを出そうとしていたんですね。アンファーは、リアル店舗は11店舗のみ展開ということ。主なチャネルはネット。
コンプレックス商材の場合は、比較検討時間が長いので、ネットチャネルに集中するのは納得できる戦略。
ネットでの売上が一定ラインを超えてきたら、リアル店舗のチャネルと掛け合わせてシェアを取りにくる流れかな。
今後の動きに注目。