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円安が景気より株価に効く理由を考える
「円安は景気にプラスだから株価にもプラスだ」という事であれば、話は簡単です。かつては、「円安だと輸出数量が増えて国内生産が増えて景気が回復する」と言われていたので、話は簡単だったのですが、最近では円安でも輸出数量があまり増えないし、輸入数量もあまり減らないようになっているので、円安が景気にプラスだとは言い難くなっています。それでも円安が株価にプラスなのは、景気と株価の乖離があるからです。
(1)日本は輸出と輸入が概ね同額なので、輸出企業が持ち帰ったドルを高く売れて儲かる分と輸入企業が支払い代金のドルを高く買わされて損する分は、概ね同額です。したがって、その部分は景気には影響しませんが、株価には影響します。というのは、輸出企業の多くは上場企業であるため、円安は上場企業の利益に大きく効きますが、輸入価格の上昇は、輸入した商社などの上場企業が売値に転嫁するため、非上場の中小企業や消費者も多く負担することになり、差し引きすると上場企業の利益は円安で大幅増となるのです。
(2)上場企業が輸入価格上昇を消費財価格に転嫁すると、景気と株価に反対の影響が出ます。上場企業の損は消費者に転嫁されるので減り、株価を押し上げます。一方で消費者は物価が上がって苦しくなるので消費を手控えるため、景気は悪くなります。こうして、「景気は良く無いのに株価は上がる」といった乖離が拡大するわけです。
(3)円安になると、上場企業が海外に持っている資産の価値が円換算で増えます。これは景気には影響しませんが、株価にはプラスに働きます。円安になると、上場企業が海外から受け取る利子や配当も円換算で増えます。この部分も、景気にはそれほど効きませんが、株価には効きます。
(4)「日本株と外国株を半分ずつ持つ」と決めている投資家は、円安になると円換算した保有外国株の価値が巨額になってしまうので、半分ずつという自主ルールを守るためには外国株を売って日本株を買う必要があります。それにより、日本株の買い注文が増えて日本株が値上がりする事になるわけです。
(5)実体経済と異なり、株価は「美人投票」の世界ですから、「円安だから株価が上がるはずだ」と考えている人が多い事によって、円安になると株の買い注文が増えて実際に株価が上がります。
ここは色々と意見が分かれるところですね。
ケインズ型のマクロ計量モデルなんかでは、円安は経済成長率にプラスは常識ですが、たしかに塚崎さんご指摘のとおり、輸出数量には効きにくくなっていると思います。
さらに、パリバの河野さんや慶応の小幡さんのように日本経済には円高のほうがいいという方もいらっしゃいますからね。
ちなみに私個人的には、円安は外需には効きにくくなってますが、雇用や名目GDPへのプラスを通じて、内需や税収には効きやすくなっていると思います。
個人的には、この議論はもう決着ついたと思うのですが、日本では何年経ってもループが続いているという印象があります。ひとつ言えるのはここまで為替に執着する先進国は恐らく日本だけです(それが良いか悪いかはさておき)。
金融緩和に熱心な安倍総理の誕生がなんとなく見え始めた2012年11月ころと比べると、ドル円相場は4割がた円安になり、日本企業の経常利益の合計は7割がた増え、株価は2.5倍ほどに上がっています。去年の暮れから今年の初めにかけての一時期を除くと、ドル円相場のグラフと日経平均株価のグラフは驚くほどに一致して、円安なら株高、円高なら株安を裏付けています。一方、世界の中で見ると企業利益の増加は円安の分だけ割り引いて考える必要があるし、庶民の給料は円安の分だけ確実に目減りしています。円安の影響を割り引いても株価の伸びは大きそうですが、日銀とGPIFの購入拡大の支援を受けており、世界の中で見ると必ずしも好調と言えません。市井の感覚から見ても、確かに「円安は、景気は押し上げないが、株価は押し上げる」と感じるところはありますね・・・ (@_@)フムフム
日本の株式市場と言えども、国内投資家だけが参加しているわけではなく、海外の投資家の行動などによって、海外の市場と連動している。ドル換算の日本の株価が、よりアメリカの株価と連動性が強いならそれを示している。株価と円安の連動性はそれが一因だろう。

学術研究でも、外貨建て取引の多い日本のような国は円安になっても輸出量は増えないことが確認されていきている。仮に金融政策によって円安が起こっていても、それで雇用が増えるような輸出の増加は見込めない。