トルコリラ、中銀流動性供給策などで一時下落に歯止め 売り圧力なお存在
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リラの下落に歯止めをかけるのに有効と思われるのは、通貨の流動性を供給することよりも、公定利率を上げることなのですが、エルドアン大統領はこれまで意地でも利上げをしようとはしてきませんでした(もちろん、公定利率を決定するのはトルコの中央銀行なのですが、実際には明らかにエルドアン大統領が判断しています)。
エルドアン大統領は、現代の主流の経済学を信用していなところがあります。そのうえ「利子は搾取である」というような、ある種のイスラームの教義に基づいて経済を論じるイデオローグ(いわゆる「イスラーム金融」にさえ批判的な理論家たち)のようなことを現在の状況について言っています。中央銀行が不換紙幣を市場に供給するという現代世界の制度に参加している限りは、利子が発生することは避けられないのですが。出血が止まらない状況に対して輸血を続けるのが流動性供給です。それ自体前向きであることは確かですが、必要なことは止血であり、そのためには利上げや米国人牧師の開放などが根本的な一手となります。エルドアン大統領は共に拒絶しています。
米国時間では比較的落ち着いた動きとなりました。13日に提示した中銀の策などが一応機能した格好です。
中銀の政策を担保するような政権側のサポート(中銀の独立性)が当面は重要になります(それで根本的に解決するわけではありませんが)。
他方で、他の新興国でもいろいろと動きがありました。特に南ア・ランドの動きが大きいです(①)。
①南アランド下落、市場介入必要な状況から「程遠い」=中銀副総裁
https://newspicks.com/news/3243628
②アルゼンチン中銀が利上げ、金利45%に 短期中銀債の発行抑制へ
https://newspicks.com/news/3243629
③ブラジル政府・中銀、ボラティリティー継続なら市場介入の用意=関係筋
https://newspicks.com/news/3243627