遺伝子組み換え大腸菌を活用し、変換効率の高いバイオ太陽電池をカナダの大学が開発
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リコピンを大量に産生するように遺伝子導入した大腸菌を、TiO2をトリプトファンを使ってひっつけてコーティングしている。論文中の図ではリコピンを入れた大腸菌がオレンジ〜赤のトマト色になっているのが印象的。
実証実験の段階の報告のようですが、biogenic solar cell を使った分野としては最高の1平方センチメートルあたりの電流密度を達成したとのこと。
<8/6 10:24追記>
何がこの業界でインパクトかというと、これまで biogenic solar cell の開発というと目的のタンパクを大量に大腸菌などに作らせてそれを抽出して用いることにフォーカスされていたものを、そのまま抽出処理なしに細胞ごとコーティングしてしまって用いること。細胞ごと極化しても第一世代のこの報告でもかなり良い線行ったということだ。
抽出処理には溶媒に毒性のあるものを持ちいる必要があったり、その過程で抽出物が壊れて収率が落ち、コストがかかる点が課題だったということです。文中には「一連のプロセスで大腸菌に害が及ぶことはなく、大腸菌は半永久的にリコピンを生成し続けることができる。」とあるが、ブリティッシュコロンビア大学の著者インタビューの原文をみると、「細胞を殺すことないプロセスが見つかれば」というところを切り取ってしまっているので誤解が生じやすいものと思われる。素人考えで恐縮ですが、今、災害などで「壊れたパネルの発電」が課題になっていると聞いたことがあります。放置すれば感電することになるのでは、という心配です。
本件では何かの都合で大腸菌が自然界に放り出されてしまうと、何が起こるのか・・・。「バイオテクノロジーはコンピューターテクノロジーより、未来を切り開く力がある」、と勝手に期待しているのですが、同様に安全も進化しなければならないと考えています。新しい技術と安全が両輪で回ることを願ってやみません。こういう再生可能エネルギー関連の記事を見ると、いつも「いつ頃、電気料金0円の世界が実現するんだろう?」と思う。
究極的には膨大な太陽エネルギーを効率的に変換すれば、必要な電力量は有り余るほど生産できるわけなので、メンテナンスフリーな再生可能エネルギー施設が実現できれば、電力事業自体は政府の管轄下に置かれ、いくら利用しても個人も法人も0円という世界は早かれと遠かれ実現できるはず。
”連日の猛暑≒エネルギーの宝庫”がうまく活用できないのが勿体ない。笑