キャッシュレス化できない銀行業務 スウェーデンで「現金の流れ守る」提案
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キャッシュレス化が強烈に進んだ北欧。
スウェーデンの中央銀行委員会は、現金引き出しや日常的な現金受け付けのサービスを銀行に義務付けることを提案したということです。
我々からすると、わけがわからないと思いますが、同国では過半数の銀行が窓口での現金取り扱いを終了し、そもそも支店自体の閉鎖が進んでいます。
とはいえ、現金へのニーズは全くないわけではないので、「人口の99%が25km以内に現金取り扱い銀行にアクセスできること」を目標とするということです。
我が国とは(ドイツもそうですが)一時代の差を感じます。銀行の最後の砦である「資金移転(決済)」付加価値すらもキャッシュレス化等の大きな流れのなかでまさに突き崩されようとしており、近い将来に銀行が現在の姿を維持していない可能性が高まっています。
一方、銀行の戦略資産である顧客と長年にわたって築き上げてきた信頼関係に基づく顧客情報は非銀行業者には持てない貴重なものであり、今後の金融サービス・ビジネスの主戦場である顧客接点(インターフェイス)において銀行はまだまだ優位な立場にあると考えています。また、キャッシュレス化が進んでも、預金決済口座の重要性は引き続き高く推移すると思われ、こちらも銀行の戦略資産であり続けると思います。
銀行が中長期的に「生き残れる」、つまり顧客の生活行動や企業行動において重要な役割を果たすか否かは、非競争分野や弱い分野を如何に捨てる(効率化する)か、競争分野かつ強い分野に注力できるかという経営戦略にかかっていると考えます。確かに、6月にvisaネットワークの障害で、イギリスでvisaカードが使えなくなった時は、大騒ぎになりました。
スウェーデンでは、本当に現金がなくても困らないので、カードしか持ち歩いていない人が多いのではないかと思われますが、カードはクレジットカードよりもデビットカードの方が多いはずです。
小売店でのCash outサービスが、アメリカぐらい浸透していればいいのですが、この記事を読む限り、そこはアメリカの方が現金の必要性を考慮したインフラになっているわけですね。
ストックホルムでは、ATMは駅と空港以外では見かけなかったですね。