広告会社が“うまく売る”時代の終焉
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注目のコメント
"今回のパートナーシップ提携は、広告会社が"うまく売る"時代の終焉を予感させます"
「うまく売る」というのはもう随分前から終わることが予測されていると思います。そのタイミングは「どうやらテレビに広告をバンバン出せば売れるとも限らない」というあたりからでしょうか。
本質的にはどうかわかりませんが、ビジネスモデル的には広告会社の実態はメディア代理店です。広告主のマーケティングを代理するわけではありません。なぜならば利益は広告主からではなく、メディアのマージンから発生しているからです。広告主からお金をもらいながらメディアマージンの上下で利益をコントロールする、というのは恐るべきモデルです。いや、でした、と過去形。
が、メディアが国内だけでなく海外勢も混ざりはじめていますので、そのあたりから、広告代理店側も「ひょっとして俺たちメディアマージンだけではもう生きていけないのでは?だってGoogleとかfacebookって直接買えるし、メディア購買力はグローバル単位だから露骨にマージンも変えられないし。やべ、どうしよう」と思い始めています。広告会社が商品開発の段階から関わることは、私が入社した頃、つまりかなり前からありました。ただ当時は広告会社は黒子であるべきとの方針から表に出て言うことでもなく、クライアントさん次第でした。
ネスレの高岡社長のように広告会社と共同開発でと明言されるクライアントの方が出てきたことは、時代が変わったことの象徴です。と同時に、川上からの展開にがっつり絡んでいきます!と明言するストラテジー&クリエーティブのユニットが独立して会社を構えるケースもどんどん増えています。
メディアはマスだけでなく、SNSやネットのオウンドメディアもあります。アイデアさえあれば、なんでもできます(のはずです)。一つ言えるのは、“うまく売る”いわゆるプッシュ戦略は昔ほど力をもたなくなったということです。