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「クリエイティヴ・シンキング」とか多様性を理解するということは学校の授業でも訓練して身に付けさせようとされています。アクティヴ・ラーニングとかグループ・ワークとかといった授業のやり方で、そういった考え方を身に付けることが目的とされてもいます。しかし、そこで起きていることの多くは、ありきたりな、聞いたことのあるようなアイディアを出し合うことに過ぎなかったりします。特に日本だと、下手をすると、空気を読み合い、できるだけ無難な意見にまとめる訓練になていたりします。読書感想文のように、大人や世間が正解とするであろう意見を言うだけ、で終わる場合が多いです。
いきなり自由な視点を持てとか、クリエイティヴなアイディアを出せ、とか言われても出てくるものではありません。メディアやインターネットで聞いたことのある見方しか出てきません。斬新な意見、誰も考えたことのなかったような観点をもつには、知識が必要です。その問題に精通していることも必要ですが、古今東西の幅広い知識の蓄積、文学や美術、音楽、哲学、思想、様々な知識に通じていることで、かえってほとんどの人が思いもつかないような視点をもつことができます。そのような知識が教養と呼ばれます。アートの大きな役割は、誰もが見たことのある物事でも、誰もしたことがないような新しい見方で見て表現する、ということです。
僕もこれまで興味はあるものの、何かシンパシーを感じられるモチーフじゃないとなんだかしっくり来ないな〜と思っていたところ、馬の肖像画を専門にしている画家さんとたまたまお会いし、牧場で働いていた頃に調教を担当していた愛馬の肖像画をお願いすることにしました。
今までずっと、部屋やデスク上に写真で飾っていたので、どんな感じで仕上がるのか、非常に楽しみにしているところです。
アートをビジネスの観点で見るというのは、モノの値段のつき方や評価を考えるにあたっては極めて良い題材だと思って、ここ最近、研究しているところです。
創作・流通の観点でいうと、村上隆が少し前の『芸術家起業論』で「アートにこそ戦略が必要である」と喝破していましたが、特に現代アートは文脈=コンテキストが重要であり、それはつまるところ歴史の流れをどうくみとるか、ということ。
ビジネスにおける官民一体ではないですが、アートにおいても創作するプレーヤーと支援するプレーヤーが、もう少し協働して手をとりあって新しい文脈をつくっていってほしいと思います(たとえば村上隆や奈良美智を世に出した小山登美夫のような)。
鑑賞する側においても、日本人は常設展より企画展が好きとよく言われますが、これは「人気なものが好き」という価値観が根底にある気もしており、自分の審美眼を磨くうえでは真逆。
常設展でも企画展でも、ぼく自身は「自分が一点だけ持ち帰っていいよと言われたら、どの作品を持って帰るか」という視点で見るようにしています。もちろん実際に持ち帰れるわけではないですが、とにかく自分の目で選ぶという行為を重ねていき、それを一緒に鑑賞した人と語り合う中で、美意識を磨いていくことをオススメします(それだけで、展示を観るのがめちゃくちゃ楽しくなります)。
•美術鑑賞から多様な考え方を学ぶ研修
•即興劇を通じて発想力や肯定的なアイディアを身につける研修
一見、ビジネスとアートは切り離された別モノのように感じてしまいがちですが、やってみると影響する部分がとても多い。
UXやUIなど感覚的なものがサービスの入口で顧客を選別する時代。アートそのものは分からなくても、アート的感覚を持ち合わせてビジネスに転化できる能力は必要だと思います。楽しみな連載ですね。
ただ、個人的には、アートや美意識といったかなり広い概念を扱っているのに、絵画などの平面的ビジュアルアートばかりが扱われることに若干の物足りなさを感じたりします。
アートや美と呼ばれるものには、他に様々な形態による五感刺激が含まれるはずで、音楽、踊り、衣服、建築、料理、写真、映像、文学、漫画、など様々なメディアによるアートがあります。
いつかこういったものも広くアートとして特集して欲しいです!
アメリカの40%が示すように圧倒的お金持ちの絶対数が市場を決めている側面が強そうなので、かなり先進国に集中するとしても、倍にはなるが今後の世界全体の成長を加味しても5倍にはならないマーケットってところですね。
個人的には前の記事が面白かったので、マーケットとしてというより、教養として楽しみです。
「既に価値が確立したもの」を鑑賞することももちろん重要だと思うのだけど、「未だ価値が確立していないもの」を楽しむことの方が実はおもしろいのではないかな?
ヨーロッパなどでは昔から歴史的建造物を守ってきたため、平気で何百年前の建築物が残っているが、日本でそういう建物はだいぶ稀。政治や思想的な問題で取り壊されたり、単純に古くなって取り壊されたり(もちろん地震や湿気など外的要因もあるのだと思いますが)
身近にモダンとトラディショナルが街中で混ざり合うようなところが必要だと思う。
現代の日本では、アートは「鑑賞するもの」であり、一期一会のとらえ方(展覧会で一度見て生涯記憶にとどめる)が一般的であるように思う。「買って所有するもの」さらには「資産として評価し、高値で売却するもの」という金融資産的発想は一般の人にはほぼない。どこか清貧の美徳にも通じる。アート系のNPOが活動資金の調達に苦労するも、こうした日本的なアート観が背景にあるかもしれない。
そうした中で、アートのビジネス化の流れが出てきていることは理解できるが、それはアートの一面に過ぎないと思う。アートはより内面的なものであり、人間性の発露そのものといえる。社会としての創造性や刷新力を発揮したければ、アートを一人ひとりの行為として自覚的に取り組める環境を整えていくことが大事。