新規事業よりも難しい、事業の撤退・売却
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注目のコメント
大企業の事業撤退戦は本当に難しいです。
私もアドバイザーとしてですが大企業の撤退戦を複数担当しましたが、いずれも事業再生のフェーズに入ってからです。そのフェーズまでいかないと撤退の意思決定は難しいです。
撤退が出来ない理由として記事にある情緒的なものというのは一要素ではあるものの、他の要素の方が大きいと感じています。実際にあったケースを少し。
数値面
各部門及び担当役員に必達予算が割り当てられており、もしもそれを減らすなら代替案の売上増加策が必要。そして多くの場合新規事業等ではそれは賄えず、既存事業の温存の方向に向かいやすいです。
人事面
終身雇用制と年功序列を維持するため絶妙なバランスで各部門や組織を維持しており、ポストの不足等により簡単には一つの部門をバラして他に持っていくということができません。また、①にもひも付きますが売上金額等により評価（といっても給料はほぼ横並びで出世競争の話）をされている管理職からすれば事業撤退は賛同しかねます。
当然解雇などの選択肢はありえません。
売却候補先にも従来と同様の賃金・勤務形態等を求めるため（別に組合が強いわけではないのに）、案件が進まないこともあります。
また、未だに「身売り」した経営者というイメージがあるため、経営陣としてはなかなか自分たちの代（2~4年程度）では決断できません。
手前味噌ですがちょうどこの辺の話について最近感想を書いてます。
サイバーエージェントのグループ内組織再編に思う
https://ma-bank.jp/1834/
これをきっかけに「身売り」という言葉を使うのはやめよう
https://ma-bank.jp/1821/新規事業や事業買収といった華々しい話はニュースになりやすく、話題にのぼる一方、事業の撤退や売却といった話はあまり公に語られることがありません。当事者にとっては必ずしも愉快なエピソードではありませんし、表に出したくない面もあるのでしょう。
一方で、会社の成長においては、新たに事業を始めるのと同程度に影響を持つ重要な打ち手です。また、前向きな新規事業と比べると、閉じるという決断・アクションの方が、より難しいとも思います。
この点、合理的な事情以上に、情緒的な要素が、事業の撤退をより難しくしていると感じています。
外部から見れば、当然為すべき行為ができていないことの背景には、できない理由のロングリストがズラリと並んでいるものです。
こうしたできない理由を一つ一つ潰し、たとえ不十分であったとしても、少しでも理想の状態に近づけることが重要だと思う次第です。なんだこの対談、めっちゃ勉強になる。笑
うちは割と組織を大きくしたくないと思っていて、アウトソーシングをたくさん活用しています。自社でやった方がコストが抑えられる（=利幅が大きくなる）こともあると思うのですが、組織が大きくなると管理コストがどんどんかさむし、何より人をマネジメントするタスクは僕があんまりやりたくない。
営業したくない、人のマネジメントはしたくない、単純作業はしたくない、というようなわがままを積み重ねた結果の今の組織があります。
よそが真似できないテクノロジーを積み上げて、それでサービスを作ったらみんな使ってくれるだろうと思っているし、今のところそれに沿った事業展開になっています。
スリムな組織であり続けようと思いを改めました。
事業の撤退判断は本当に難しいですね。
うちはファッションテック事業を2014年から続けていて、ずっと立ち上がらなかったんだけど、粘りまくったらブレイクスルーできた。もしそのままダメだったら壮大な失敗例になったのだと思う。
長く続けることでアセットは積み上がるし、それが強みになる場合もある。
サンクコストは考えずにその時どきで判断するということは大事だと思いますが、明らかにダメな場合を除くと、正解はちょっと分からない。
