ユニチカ(株) 樹脂事業部 機能樹脂第三グループ マネージャー 吉田猛氏
電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)|特別インタビュー
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フレキシブル有機ELはディスプレイ基板がガラスではなく、ポリイミド(以下PI)フィルムを採用することで、フレキシブル性を持たせることに成功している。
今のところ、折り畳み式ではないが、既にGalaxy S8 やiPhoneXではフレキシブル有機ELディスプレイが採用されており、ディスプレイ端部をあらかじめ折りたたんでしまうことで狭額縁を実現したり、曲げやすさからGalaxy Edgeみたいなカーブドディスプレイを実現することが出来ている。
ガラス基板を必要とする液晶ディスプレイにはなかなか出来ないデザイン・アプリケーションである。
これらフレキシブル有機ELを実現するのにこうしたPIワニスが求められている。既に市場で大きな実績を上げているのは宇部興産だが、他社も追い上げているということになる。
(以下本文抜粋)
現在使用されているPIワニスは、生産性の低さが課題に挙げられている。熱硬化して塗膜化する際、3~5時間かけてゆっくり行わないと気泡が出たり、塗膜がはがれるといった問題が発生する。これを抑制するため、PIワニスに添加剤を配合する方法が用いられるが、剥離が大変困難になってしまうというデメリットがある。
これらの課題を解決して生産性を向上させるため、ガラス基板に強固に密着しつつ剥離しやすいという、相反する特性を持つPIワニスを開発した。さらに、熱硬化の速度を当社従来品の3分の1~4分の1に短縮しても、高品位にPIワニスを塗膜化することが可能だ。通常は薄くすると剥離がより困難になるが、新製品は20μmでも容易に剥離することができ、かつ高品位だ。このため超フレキシブル有機ELディスプレーに貢献できるだろう。