日本の財政は「3つの大丈夫」があるから破綻しない、は本当か - 経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層
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注目のコメント
どこから突っ込んでいいのか迷ってしまうくらいに酷い記事だと思いました。
「国家財政」を政府の財政とするのであれば「安心材料」として挙げた3点は全く的外れだし、「国家財政」を国家の経常収支なのだとすれば全く赤字ではない。
※ちなみに辞書的には「国家財政」は政府の財政を指す。
3点が的外れな理由ですが、「政府の債務について、自国通貨建てで発行されているので、財政破綻する事は物理的にあり得ない。歴史的にも物理的に破綻した例は存在しない。」という事実を全く無視しているからです。
これは他ならぬ財務省も主張しています。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
更に、自国通貨ではなく共通通貨「ユーロ」を用いている政府の財政政策の様子を、通貨発行権を持つ日本の政府に当てはめて危機を煽る手法もお腹いっぱいです。
現実に生じている問題は
「長引くデフレーションにより経済力(カネの量ではなく、モノやサービスを生産する能力)が著しく毀損しているおり、中国に追いつけないレベルになっている。そのため通貨の価値も毀損しつつある」
という通貨の信用力を担保する源泉(=経済力)の話なのであって、カネの金額レベルでモノを語っている時点で首を傾がざるを得ないです。
なぜデフレなのかといえば、1997年以降に実施した財政削減と消費増税が原因です。
原則として「誰かの借金は誰かの資産」です。
従って、政府の借金は国民の資産です。
相対的な財政削減や消費増税を実施すれば国民の資産が減らされます。
そのため、国民が貧乏になり、その結果投資や消費が控えられてデフレーションになっているのが事実です。
従って、著者の主張する「王道の政策」とやらで財政削減やら増税やらを実施すれば、更にデフレーションが深刻化します。
このようなデタラメ記事を芸能人コメンテーターならいざ知らず、「専門家」ないしは「哲人」の立場として述べるのはいかがなものでしょうか。「統合政府論を持ち出す人もいる」と書いておきながら、その理論の何がダメなのか答えれていない失態を晒しているし、そもそも日本がギリシアと何が違うかも分かっておられないように見受けられます。
日本は自国通貨建ての国債を発行しており、そのほとんどが国内で消費されているのに対し、ギリシアはユーロの発行権を持ち合わせておらず、国外の投資家が大半を保有しています。よって、ギリシアは紙幣を刷って返済の財源にすることができず、緊縮財政をして切り詰めて、返済資金を捻出するしかできないのです。
エコノミストはこれくらい知っているはずでは…。