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【書評】沈志華著・朱建栄訳『最後の「天朝」~毛沢東・金日成時代の中国と北朝鮮~』 (上下、岩波書店、2016年)

東京財団政策研究所
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  • これマジ読みたいわ

    追記:本書読了。以下抜粋。

    中国は大国、強い国であり、朝鮮は小国、弱い国であり、彼らの間で結ばれた同盟関係は明らかに非対称的なものであった。この種の同盟関係においては、小国が大国に服従し、弱い国が強い国に従属するのが世の常であるが、中朝関係の状況はこれと異なり、「尻尾が犬を動かす」現象を呈した。(下巻-P260)

    朝鮮半島は中国、米国、ソ連という三つの大国の極東地域における安全保障と利益の合流地点にあり、地理的に重要な戦略的価値を持つ場所であった。そのため、1950年から1959年までの二大陣営の激しい対抗の中で、中国とソ連はいずれも朝鮮という社会主義陣営の極東における玄関の利益と要求に配慮しなければならなかった。1960年から1965年までの間、中ソ両国は社会主義陣営における主導権を争いを繰り広げたが、双方とも朝鮮を自らの陣営に抱き込み、自身の権威と影響力を高める必要があった。(下巻-p261)

    1966年以降、中国は社会主義陣営から追い出されたが、朝鮮は中国の残りわずかな盟友の一つとして、なおさら自らの利益を中国に訴える機会と有利な立場を手に入れた。中朝双方の関係から見れば、中国は大国として「主義」を重んじるが、小国の朝鮮は「利益」に最大の関心を置いた。金日成の政治的支持を取り付けるため、毛沢東は朝鮮側の対中政策のプラグマティズム、動揺ないし投機的な性格に見て見ぬふりをし、朝鮮側の欲張った注文に我慢できたが、その「離反」という結果だけはどうしても回避したかったこれにより、金日成は中国との関係において、常に有利な立場にあり、主導的な地位を占めた。
    数十年の歴史に対する観察で分かることは、朝鮮は中国から取れるだけの利益を取ったが、最後まで中国に対して即かず離れずのままで、中ソの論争と対立の過程において典型的な「風見鶏」を務めた。しかし、この二国間同盟の内部に存在する種々の矛盾と対立に関して、中朝両国の政府は自国民に知られたくなかったし、彼らの共通の敵だった米国にはなおさら察知されたくなかった。でなければ、この同盟は内部に対して合法性を失い、外に対して抑止力をもたないものになる。これが中朝同盟の真実と、表と裏がかけ離れる構造的原因であった。(下巻-p261)


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