マイクロソフト、開発者向けサービスのギットハブ買収で合意－関係者
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プログラマとしては感情的にはあまり気持ち良くない展開ですが、近年の GitHub の停滞を見ていると、そろそろ大きな変化が欲しくなる気持ちは分かります。GitHub はプログラミングの世界を大きく変えましたが、ここ数年はさしたる変化もなく、ウェブからスマホ、AI へとプログラミングの潮流が変わるにつれて、緩やかな衰退期に入っているように感じています。緩慢な死を待つよりは変化に挑戦するという決断を選んだという意味では、歓迎されるべき判断なのではないかと思います。
マイクロソフトとのシナジーは今ひとつ分かりませんが、一番は法人向け営業の強化なのかな。GitHub Enterprise は随分売りやすくなるでしょうし、そうすると GitHub の影響力を更に高めることが出来ると考えたのではないでしょうか。また、法人向けの採用が進むと必然的に、プログラム以外の分野に GitHub 的な文脈を導入することも考えられそうです。例えばプロダクトマネジメントの分野。デザインやドキュメントを共有・バージョン管理する統合的なプロダクト開発プラットフォームなんかは、割と現実的に考えられる路線ではないでしょうか。この分野は多数のプロダクトが出てきているものの、未だに決定的な製品は現れていません。
そのほかには以下のような展開が想像されるところかもしれません。
・LinkedIn との連携を活かしたプログラマの評価／採用プラットフォーム
・マイクロソフトの技術力を活かしたクラウド開発環境
ちなみに個人的には近年の VS Code や TypeScript などを見ていても、やはりマイクロソフトの技術力は非常に高いと思うものの、SaaS 関連の UI はさっぱりダメだと思っており（Azure などを見てもバグだらけ・酷い UX で使い方が分からない）、そういう意味では GitHub の品質がどんどん低下しないかはやや心配です。笑両者からの公式発表は未だ。Bloombergのすっぱ抜き状態。
金額は未明も、そのファンドレイジング履歴と唯一無二のポジショニングを鑑みて数千億円半ばは下らない、兆の大台もあり得るでしょう。
確定すればVCはセコイアとアンドリーセンの大勝利。
しかしサティア率いるマイクロソフトの大型買収と言えば一昨年のリンクトインもそうですが、本件もどうも「飛び地」買収の感がぬぐえないように私は感じます。とは言えまだリンクトインよりは未だ近く、おそらくクラウドAI事業との親和性やエンタープライズ販売を考えての事と推測されます。マイクロソフトは開発ツールが祖業。最近のアナウンスも本業回帰とばかりに開発ツール関係のものが多かった。GitHubがベースとしているGitをファイルシステムとして扱うGit Virtual Filesystemを開発し、社内で利用しているし、自社で開催する開発者会議でもGitHubとのパートナーシップをフューチャーすることが多かったり、最近はGitHubとの蜜月ぶりが目立っていた。その点でもあまりサプライズは無い。
マイクロソフトのOSSに対する過去の悪行 😜 から、この買収を心配する人も多いが、CEOが変わってから別の会社と言えるほど変わったので大丈夫だろう。むしろ、マイクロソフトの強みである開発ツールとの連携が楽しみだ。
