マレーシア中国離れ 高速鉄道計画中止
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中国の対外援助や投資などは、外交戦略の一部として利用されているという一面があります。
中国に対する経済的依存度を高めることによって、ターゲットにした国家が中国を支持するように仕向けるのです。政治家や官僚の汚職につながることもあります。
マレーシアは、中国寄りだと言われることもありましたが、元々、華人に対する警戒心が強く、マレー人優遇政策をとり、マレー人による統治を基本としています。
シンガポールをマレーシアから独立させたのも、華人に対する警戒心からきています。因みに、独立の際、リー・クアンユー氏が涙を見せたのは有名な話ですが、振り返って舌を出したとも言われています。最初から、華人を中心とした国家建設を目論んでいたというのです。
マレーシアのナジブ前首相は、中国寄りとの批判を受けて、マハティール首相に選挙で敗れました。
もちろん、東南アジア諸国は中国との経済関係も深く、決定的な対立を避けようとするでしょう。また、中国も、これまでの経験を活かして、受け入れ国に歓迎されるような援助や投資を行うようになっていると言われます。
東南アジア諸国は、中国に対する警戒心を持ちながらも、決して親米という訳ではありません。上から目線で、人権や西欧型民主主義、市場経済などを押し付けられると不快感を露わにします。
東南アジア諸国の多くは、長い王国としての歴史を持っています。非常に誇り高い国々なのです。マレーシアも例外ではなく、現在も国王を元首とする立憲君主制です。
東南アジア諸国と協力関係を強化しようとすれば、単純に親米か親中かで区分するのではなく、各国の状況や考え方を理解することから始めなければなりません。結局、共産党独裁というあの政体は信用ならんという判断でしょう。ASEAN諸国は、最早札ビラ切って黙らせることが出来る国ではなくなったということ。相対的に日本のポジションが上がるのは間違いないが、日本も彼らの期待に応えられるようにならないと。