“IT人材 数十万人規模で育成へ” 政府が科学技術戦略の素案
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日本では、理系学部はよいとして、文系学部でも人材を養成する必要がある(文系理系という学部選択の発想は打破した方がよいが、制度上すぐには困難か)。
確かに、文系学部でも、経済学、経営学だけでなく、文学部の中でも心理学や社会学などで統計学的素養や数理的思考を身に着けることが今まで以上に求められているから、今後IT人材の育成は可能だろう。ただ、法学部からのIT人材の輩出はどうなるだろうか。AIやデータの時代に、従来のIT関連人材とは求められることが、大きく変わってきているので注意が必要です。
まずAI人材には全く異なる二つのタイプの人材が求められます。第1は、AIというエンジン自体のアルゴリズムを創る人で、第2は、AIのエンジンを使って社会の問題を解決するシステムやソリューションを創る人です。
第1のエンジンを創る人は、数理に強い人ですが、期待できるのが、理論物理や数理生物などの人材です。
第2のソリューションを創る人は、全く異なり、むしろ建築家のように、AIやデータという建材を使って、現実の目的や制約に沿ったモノを創り上げる人です。ただこれはこれまでのSIより、AIとデータによって自由度が大きく拡がっている分、従来のSIの発想が染みついているとむしろそれは障害になると思われます。これをリセットする学習が必要でしょう。
人材のプールとしては、明らかに第2のソリューション人材が大量に求められます。
この手の議論で間違いやすいのは、AIやデータだから数学ができる人材だ、というような誤解です。むしろ第2のタイプでは、従来のSIよりも社会のことをより深く理解する必要があります。さらに社会をいかに変えるか、にも関心が必要です。数学を深めるのとはむしろ逆の方向だと思います。
第2のAIソリューションがつくれる人材を育てるにはどうすればよいでしょうか。建築の教育が参考になると思います。建築では、学部でも、具体的な立地と目的の制約のある課題を与え、数ヶ月掛けてコンセプトから設計までをさせ、それを評価していきます。例えば、私の知り合いの大学生は「目黒川沿いのこの形状の敷地に、カフェ付の本屋を設計する」という課題を与えられていました。AIについても、同様に具体問題と具体データを与え、これをどう解くかにとり組ませることで人材が育つでしょう。
今の若い人は、ウェブから情報を取り入れるのは大変上手なので、ウェブでも得られることの教育に割く時間は最小限にして、上記のように具体問題と具体データで格闘させる教育を若い時から行えば、一気に人材を増やせると思います。高校生からこのようなAI教育なら可能だと思います。
新しい発想で日本をアップグレードすることが必要です。生命科学系、いわゆるバイオ系は国が音頭をとって博士取得者を増やしたにもかかわらず国内にそんなに多くの職はないという事態になり、憂き目にあった人がたくさんいました。
情報系はそんなことが可能性が起こる可能性は低いと思うのだけど、受け皿もちゃんと用意するのが重要であることは間違いないです。
日本は諸外国と違ってある一つの産業分野が流行しても「他の分野も重要」ということで急激な人材育成をしないことが特徴となっていて、そこら良い点でもあり悪い点でもありました。今回の試みは是非成功させてほしいです。
生物系の学生は生命科学に見切りをつけろ
https://anond.hatelabo.jp/20090906004349