この連載について
アップルや、グーグル、フェイスブック、ウーバー ー 破壊的なテクノロジーやビジネスが10年サイクルで生まれているアメリカ・西海岸のシリコンバレー。革新がこの地で生み出されるのは単なる偶然ではない。なぜシリコンバレーがシリコンバレー足りえるのか、そこには"キーマン"たちの人脈が大きな意味を持っている。革新の遺伝子はどう受け継がれているのか、これを知れば日頃のニュースが数倍楽しくなる、禁断の解体書。
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国内大手通信会社のソフトバンクを中心に、Yahoo!・LINEなどを展開するZホールディングスなどを子会社に持つ。持分法適用会社には中国ECサイト最大手のアリババなどがある。
業種
プライベート・エクイティ
時価総額
13.2 兆円
業績
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今の形のVCがどうこの場所で誕生したのか、そこに訪れている時代の変化はどんなものか。
ストンと、ものすごく納得のできる形でお話してくださいました。
VCのインナーサークルから見えてくる世界を覗くことで、シリコンバレーの仕組みの理解がまたグンと深まると思います。
直近の新興勢力、SVFは「ものすごいインパクト」だと誰しもが口にしています。シリコンバレーは破壊的という言葉を好みます。古きを壊して新しいものを歓迎する。
VCの世界では新たなディスラプターをどう評価するのかな、と感じます。
(その辺りは、また以降のレポートにもと思っています!)
VCが儲かる儲からないとか、起業家がスポイルされるという問題を超えて、実はほとんどの経済人にとって深刻。なぜなら今ベンチャー資金のざっくり半分くらいはコーポレートのお金だからです。今まではプロ投資家、いわゆる機関投資家が出し手だったものが今は半分くらいが企業のお金なのです。
ソフトバンクが極端な例としても日本でも大CVCブームが起きているとおりアジアでも米国でも同じ。したがってスタートアップのお金の燃やし方の燃費が極めて悪くなっているという問題は、結局はいつかの段階で企業の財務を痛め、何よりマインドを冷やします。
ソフトバンクは極端な例だが、アリババやテンセントなども大同小異だし、Tiger Global等のPE/ヘッジファンドなどいわゆる非伝統的ベンチャー投資家も同じようなもの、そもそもアンドリーセンホロヴィッツだって出てきた時はソフトバンクが今言われている事と全く同じ批判を伝統的VCから受けていた、つまりは孫さんがいなかったとしても同じことは早晩起きていた、その意味では人類の性、資本主義の性とも言える、スタートアップ株というアセットクラスも他の不動産等と何ら変わらないとも言える。
このチャレンジをどう乗り越えていくか、これが我々プロVCに突きつけられている課題、いつも偉そうに起業家に語っている解決すべきプロブレム、そして私も日々のたうち回っている投資家にとってのHard Thing なのです。
10兆円ファンドを動かしているソフトバンクの孫さんに、自分の投資先の株を買ってもらう「マサ・イグジット」。シリコンバレーの投資家たちは、どこか皮肉をこめて、そういう言葉を使っているというエピソードを耳にしました。自分の株を買ってくれる人であり、一方で途方もないマネーパワーで、美味しい案件を強奪するようにも見えるのでしょう。
シリコンバレーのエコシステムを築いてきた、主要なプレイヤーの一つであるベンチャーキャピタル。その中心地で活躍してこられたWiLの伊佐山さんに、NewsPicksシリコンバレー支局の洪が、大きな変化がおきているベンチャー産業の舞台裏で起きていることを、取材させてもらいました。
インターネットとITインフラが普及した今、もはや「シリコンバレー村」だけのインナー・サークルにいるだけでは、もはや差別化はできない。数百、数千というベンチャー投資家がひしめいている現地のストーリーを、ぜひご一読下さい。
出資判断においてサイエンスを徹底的に駆使するコバンザメ的な商法を用いるコリレーション・ベンチャーズのような面白いVCが出てきたり、桁違いの資金で圧倒的な差別化をはかるソフトバンクビジョンファンドが生まれたり。
しかし、米国内における2017年のベンチャー投資約770億ドル(約8兆円)に対して、ビジョンファンドひとつで10兆円。10年どころか数年で投資しきりそうだから、1年あたりの投資も数兆円。数千あるシリコンバレーのVCにおいていかにビジョンファンドが脅威かがその規模だけでもわかります。
ビジョンファンドは①ベンチャーの価格急騰が起きる、②起業家のマインドを変える、③エグジットが遅れる、といった闇の部分もある一方で、セカンダリーマーケットもできて、CVCによるオープンイノベーションの推進の可能性など光の側面も見せてくれている。
最後の「いまシリコンバレーのVCは、大きな転換点にあると思っています。過去の栄光にとらわれず、新しい流れに対応していかなければ、生き残ることはできないのです」というのが印象的です。
VCの方々を昨今話していても、これはとても納得感があります。日本においても、規模はまだまだですが、VCの提供する付加価値が今後大きく変わっていく節目にあるのかもしれませんね。
元はシリコンで儲けた人がVCを起こし、それがドットコムバブル前にソフト・ネット企業に投資。シリコンバレーとは現在も呼ばれているがソフトバレー・ネットバレーに変わっていったと思う。そしてそこでエグジットした人が、新興VCやエンジェルとして活動している。MSにブラウザ戦争ではつぶされたが、本記事にも出ているネットスケープを開発したアンドリーセンはその代表格だろう。
そして、ビジョンファンド。元々ドットコムバブル含めて、お金・人・注目があつまることで、一気に進化が早まったり、臨界点を超えるもの。バブルは罪ばかりではなく功もある。それを一種人為的に一つのファンドでやっているのがビジョンファンド。
だから、起業家の行動も変わり、バブルの時の「カネがある状態」に一種なっているとも思う。無駄遣いと言えるかもしれないが、無駄があるゆえに人が集まったり、アイディアが生まれるのも事実。
一方で、起業家であっても、いきなり大金をもらうデメリットもある。経営権もあるし、あとは出資に伴い成長スピードを上げることも求められる。でも、各事業・各経営者に即した成長スピードもある。
そのなかで、また別のエコシステムも生まれてくると思う。
直訳すると「孫正義の買収提案は拒絶できない」という感じでしょうか。
日頃「ナンバーワンにしか投資しない」と明言している孫正義社長ですが、普通、ナンバーワンは足元のお金を必要としていないのに、孫正義社長は会社を売らせてしまう、投資マネーを受け取らせてしまう。そこが上手いというのです。そしてその存在が脅威にもなっていると伝えているのです。
彼の常套手段は次のようなものであるとブルームバーグの同記事では伝えています。B社と競合しているA社に出資を持ちかける。出資はいらないと言われたら「それならB社に出資しますよ」と脅威を与える。ソフトバンクが競合と組むというのはA社にとって大変な恐怖のはず。それならソフトバンクに買収されたほうがいい、出資を受け入れたほうがいいという判断になるわけです。加えて、孫正義社長の人柄は情熱的のひと言。「競合と組まれたどうしよう」という恐怖と、人間的な魅力を武器に、買収・出資提案をどんどん受諾させているのです。
一番マクロなトレンドはテクノロジーの進化速度が上がっていることによるベンチャービジネス自体の活況と人材とお金の希少性の逆転(人材価値の高騰)。
それに伴い、金融機関と資本家の相対的な立ち位置が低下していることこそがこの変化の本質です。
結果として、上場をしないという選択を起業家が取れたり、GAFAやBATのCVCのようなビジネスそのものを加速する力(分かりやすいのはユーザー送客)を持ったVCか、ソフトバンクビジョンファンドのような一定規模以上で他社が出せない額のお金を出すVCしか生き残れなくなっている。
それ以外のVCはそれぞれのユニークネスに合わせた「相対的にお金の出し手が少ないタイプの企業」で差別化するしかなくなる。
中国ではこのトレンドはさらに急速に進んでおり、独禁法適応を進めないとよりテックジャイアントの寡占が進んでしまいます。
こうしたしのぎを削る中で日本企業、特に日本のCVCはシリコンバレーでどのような関わり方、コミュニティへの貢献をするのか。生半可な関わり方ではなにも生まれない。
同じことがイスラエルでも起きている。