ヴァージン・グループの創設者は、スティーヴン・キングからプラトンまで、さまざまな人物の言葉を引用しながら仕事に対する姿勢を説いている。

楽しみながら働くためのヒント

ヴァージン・グループの創設者サー・リチャード・ブランソンは、多くの人の「仕事に対する姿勢」に納得いかないようだ。
「仕事と遊びを区別する人がとても多いが、私にはよく理解できない。どちらも生きることに変わりはないのに」と、ブランソンは「Virgin.com」の記事で述べている。「われわれは仕事に楽しみを見いだし、互いの良い部分を引き出せるようでなくてはいけない」
さらにブランソンは、職場でも自分のパーソナリティを発揮することを推奨している。
「笑いかけることや話し合うことを恐れてはいけない。相手について何か言うのではなく、相手に向かって話しかけるのだ」とブランソンは述べている。「みんなが1つのチームになることで成し遂げられる仕事、得られる楽しさは素晴らしいものだ」
ブランソンは、仕事と遊びを融合させる方法を説いた著名人の言葉10選も紹介している。
同氏が引用している人物は、古くはプラトン(「1年間の対話よりも、1時間遊びをともにするほうが、相手についてより多くを発見できる」)から、現代の例ではドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に出演している十代のスター、ミリー・ボビー・ブラウンまでと幅広い。
ブラウンの言葉はこういうものだ。「ある日退屈していたら、父が演劇学校に連れていってくれた。私は、単なる楽しみという以上に、芝居が好きになった。本当の仕事にしたいと思うまでに」
しかし、こうした言葉を知ったところで、それを現実で実践するのはまた別の問題かもしれない。
ブランソンは、仕事と遊びを結びつけることを非常に真剣に考えているようで、Virgin.comには「How to make play everyday」(遊びを日常にする方法)と題したセクションが設けられ、楽しみながら働くための具体的ヒントが提供されている。
そのセクションから、特に優れたヒントを3つご紹介する。

1. 退屈な仕事であっても楽しみに変える方法を考えよう

その一例として挙がっているのが、鉄道運営会社ヴァージン・トレインズがトイレを利用する乗客に向けて行う、ウィットに富んだアナウンスだ。
このアナウンスでは、トイレに流さないでほしいものとして「ガム、古い携帯電話、未払いの請求書、ジャンクメール、別れた相手のセーター、希望、夢、金魚」が挙げられている。
「事務的な注意書きでも意図は伝わるだろうが、文言にユーモアをまじえ、(スピーカーで流す)アナウンスを著名人にナレーションさせることで、カルト的な人気を獲得することになり、世界中でパロディが作られている」ということだ。

2. ときどき自分のデスクから立ち上がろう

「デスクは、メールを書いたり、コーヒーを飲みすぎたりするには適した場所だ」と、Virgin.comの記事には書かれている。「しかし一般的にいえば、遊びに適した場所ではない」
ヴァージン・トレインズでソーシャルコンテンツ責任者を務めるエマ・マーテルは、ティーブレイクをとっているときに「Avocard」(アボカード)のアイデアを思いついた。
アボカードは、同社が26~30歳向けの乗客に提供する人気の運賃割引カードを入手できなかった人のために、代わりに窓口で「アボカド」を提示すれば割引が受けられるというサービスだった。

3. 職場に遊び相手を見つけよう

何もないところから最高のアイデアは生まれない。自分のアイデアをブラッシュアップしてくれる人を見つけて、何か機会があるたびに自分の考えをぶつけてみよう。ただし、選ぶ相手はよく考えよう。
「気軽に、自然に付き合えることが肝心だ」と、記事は助言している。「一緒にいて心からリラックスできる相手を選ぼう。エゴをぶつけてはいけない。どんな意見にもオープンに耳を傾け、あまり現実的な側面ばかり気にしないように。そうしたことについては、後でいくらでも時間がある」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Gael Cooper、翻訳:高橋朋子/ガリレオ、写真:© 2018 Bloomberg L.P)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with Cartier.