この連載について
ファンの熱量を高め、グループを作り、持続的な収益に繋げる「コミュニティビジネス」。多くの現代人が孤独を感じるなかで、その存在感を強めている。コミュニティビジネスが成功する企業とそうでない企業の境界線はどこにあるのか。コミュニティはいかにして、現代人の孤独を癒しているのか。企業や個人の実践例を取り上げながら、現代におけるコミュニティビジネスの意味について考える。
この記事の著者 / 編集者
関連する企業
インターネットショッピングモール「楽天市場」を中心に、旅行予約サイト、ポータルサイト、電子書籍や各種デジタルコンテンツサイトなどを運営。FinTech事業では、楽天カードを中心に銀行、証券、電子マネーなどの金融関連サービスを手がける。楽天エコシステム(経済圏)のオープン化を推進。
業種
総合Eコマース
時価総額
1.65 兆円
業績
シェア
新規登録またはログインすると
チャートを見ることができます
新規登録する
ログインはこちら
この連載の記事一覧
【宇野×佐渡島×前田×箕輪】ファンクラブとコミュニティの違い
443Picks
【論考】「ソロ男」の孤独とコミュニティへの向き合い方
437Picks
【佐藤尚之】これからの企業に「ファンベース」が不可欠な理由
1210Picks
【宇野×佐渡島×前田×箕輪】コミュニティリーダーの条件とは
603Picks
【実例】DeNAが完遂した、ソーシャルゲームのファン戦略
499Picks
【佐渡島×石川×箕輪】「1000年続く組織」の共通点
893Picks
【佐渡島×石川】なぜ多くの職場で「孤独」が広がっているのか
1086Picks
【佐渡島庸平】一から伝授。ファンコミュニティの作り方・育て方
2356Picks
ファンを組織する「コミュニティビジネス」時代の到来
2605Picks
店舗さんが夢を持ち、夢を追う中でECCと日々議論し、他の店舗さんから学び、競い、教える中で、夢をかなえていったり、あるいはその知見をいかして他の店舗さんを支援するコンサルに転身していったり。一朝一夕ではマネできない、見えない形での「準経済圏」が広がっている。
いくつか、当時、強い印象を受けた言葉を紹介。
店舗さんの言葉。「楽天市場ってさ、一言でいうと、憎たらしいんだけど、なんだか離れられないんだよね」。楽天市場のコミュニティの特性。
社内のMGRの言葉。「とにかく踊れ。まずはお前が踊れ。お前が踊れば相対する店舗さんが踊る。店舗さんが踊ればそこを訪れるお客さんが踊る。お客さんが踊ればおのずと社会が踊る」。エンパワーメントによるコミュニティの増幅
ランサーズでも、この楽天市場における店舗さんたちのコミュニティの「発酵」の過程はとても参考にさせてもらっています。地方で1-2人で経営している楽天市場の店舗さんと同様、フリーランスも孤独なんですよね。1人が楽なんだけど、でもやっぱり人間だから、つながりたいという欲求はある。
なんだかんだで、楽天大学の仕組みや楽天市場のコミュニティは本当に素晴らしいと思う
コミュニティづくりに関する本は、総なめしましたが、もっとも使えたのは、アート・オブ・メンバーシップ。https://www.amazon.com/Art-Membership-Attract-Retain-Loyalty/dp/1118633105 リーダーの人間的魅力によらないでも、持続的なコミュニティをつくりあげる秘訣が書かれてます。
特に以下の部分で。
人を集めただけでは動かない場合がほとんどです。しかも、人数が多いほど動かなくなります。なぜなら、どんな人がいるかがわからないと、いわゆる「心理的安全性」が生まれないからです。
なので、最初は「魅力的な遊び」を考えたら「この指とまれ!」で、少人数でもよいので熱量の高い人で集まる。それが盛り上がって熱量が高まり、その熱が自然に広がっていくような形で人数が増えていく、というほうがうまくいきやすいと思います。
楽天というビジネスに直結している場であっても、ビジネスが前面に出てくると上手くいかない。その前面に出てくる部分も、楽天側だけでなくコミュニティの参加者との期待値のバランス。サービス側だけでなく参加者側も、コミュニティを直結するツールと考えるようになると、必ず失敗につながると思う(ROIという言葉に代表されるように)。
そして「発酵」「ぬか床」という表現も秀逸。時間が必要なもの。
併せて思ったのが、「漬物」では浅漬けも古漬けも違った特徴・おいしさがある。そこで上下関係とかにもつながるが、それぞれの良さを大事にできないと、時間をかけた古漬けがすべて善とならない空間づくりもとても重要。
そういうリスペクトは楽しさもあるから生まれるものだと思うし、だから安心・安全を伴った、いろいろな違う背景・考え方を持つ人が「一緒に遊ぶ場」が持続的なコミュニティではとても重要なのだろうなぁと。
費用対効果を気にすると失敗するといのもきっとその通りで、ある程度の稼ぎがある場合にユーザーのエンゲージメントを高める施策として投資的にやるか、稼ぎはなくともコミュニティがコアになるサービスを目指し短期のROIは気にせず徹底的にやり込むか、のどちらかなのだと思います。NPさんは前者に近いように見えます。
”コミュニティづくりを必ず失敗させるマジックワードがあります。それは「ROI(費用対効果)」です。この言葉を唱えた瞬間に、コミュニティは非効率なので廃止、という結論にしかなりません。”
楽天のコミュニティ、やはりコアな人たちが中心にいる中で弊社は割と遠巻きに見ている感じだったかな。
ちょっと間違えたくないのが、楽天の場合はとはいえもうからないといけない、ということ。もうからないのをコミュニティの力で出店し続けるというのもあるにはあると思うけど本質的ではない。そして楽天で利益を出すのは簡単ではない。
本題とは離れてしまいましたが、そういう思いでいる出店者は多いと思います。
楽天大学も話を聞くことでコミュニティに参加することで儲かるからやる、というコミュニティの根本にある特性をしっかり理解することが重要だと思います。