食事中のカロリーを気にするのは時代遅れです
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医学はサイエンスですが、物理学や化学などの理学に比べて、研究結果の適用可能範囲が存在し、それを解釈する側が意識する必要があるのが特徴です。
玄米を食べると体重が増えない、という研究結果があったとき、玄米を食べて体重が増えた人がいても医学研究者は誰も驚いたりしません。
じゃあ何を信じたらいいのか?医学的なエビデンスに価値はないのか?
いえ。やはり、適用可能範囲、limitationを意識できるようになることで、医学的エビデンスは応用可能なファクトとなるのです。論文から適用可能範囲を解釈する能力は、医学研究者や医師のようなファクトの応用実践者が訓練して備えているものです。
医学的エビデンスを一般の方に紹介すると、この「適用可能範囲」がフィルターされ、あたかも法則のように伝わってしまうことがしばしば問題になります。
結局炭水化物ってとっちゃダメなの?いいの?そこだけ知りたい!
というニーズに対して、真摯な研究者ほど口を閉ざすでしょう。
注目のコメント
少々煽り気味に見えるタイトルかもしれませんが、直にお話ししていると、津川さんはかなり真面目なお人柄だということがよく伝わりますし、書かれている内容は至極まっとうだと感じます。
「体に良い/悪い」といった切り口の話を聞くと、体への良し悪しがすべてのように感じてもしまいますが、健康への良し悪しだけでなく、精神的な充足も含めて、総合的に食べるものを選ぶべきなのだと思います。ハイロウズの甲本ヒロトは「自殺するのが流行りなら長生きするのも流行り」と歌っていましたが、何も長生きすることを最大の目的にして生きているわけではないんですからね。
その点では、以下の指摘などは極めてフェアだなと感じる次第です。
(以下、引用)
健康に良くないものを一切全く食べるなと言っているわけではないんです。私はたいてい朝はフルーツしか食べないし、お昼はほとんど野菜ばかりですが、それでも肉を食べないわけではありません。
マイナス情報を理解したうえで決断することを「インフォームド・ディシジョン」(全ての選択肢について、そのメリットとリスクの情報を全て得た上で、消費者が主体的に意思決定して選択を行うこと)と言いますが、きちんとリスクを知ったうえで、それでも食べたいなら適量を摂取すればよいと思います。間違った情報や良くわからないままリスクの高いものを食べ続けて、数十年後に病気になるというのが一番不幸ですよね。とても読みやすい。信頼できる食事の本です。最初に結論、その後に詳細な情報。時間がない人も、詳しいことを知りたい人も満足できます。専門家が一般向けに文章を書く際のお手本になります。世の中を良くしたいという著者の思いを感じます。このインタビューからも十分伝わりますが、実際にお会いしてもこの通りのとても魅力的な人です。