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第1のカテゴリは、AIの要素技術を基礎研究する人間。第2のカテゴリは、AIの要素技術を活用して役に立つAIシステムを研究開発する人間。この区別は大変大事で、必要な能力もモチベーションもかなり違う。
この記事で取りあげられている研究者は、実は、前者のAIの要素技術を基礎研究する人間である。
しかし、本当に企業や社会にとってインパクトの大きな成果を生み出すのは後者のAIシステムの研究者である。このAIシステムの研究者は、AIの学会には論文投稿などしない。なぜなら基礎研究者のコミュニティでは実用は評価されないので、論文は採択されないし、そもそも、論文を書くことより世の中を変えることや世の中に役立つことの方に関心があるからである。
日本のAI論文が少ないという報道もあるが、これは前者の論文のことをいっているので、後者との関係は少ない。
このような誤解が世界にあるうちに、後者を日本はしっかりやれば世界に勝てる。このような正しい基本的な認識の上に議論する必要があると思う。
テック企業の企業価値そのものがインフレし、その結果工場も店舗も不要なテック企業の主たるコストファクタである人件費がインフレしています。
そうなると、DCF的にその人が生み出す金銭価値とは無関係に、需給によって対価が青天井になります。
ただしそれは需給がひっ迫する職種においてのみ起こります。
ひっ迫するのは大量生産が難しいエグゼクティブ経営者(能力と経歴がある人)と、最新テックの根幹を担う技術者やサイエンティストとなります。
第二に、それらの人材をチェイスするのが、米メガ5や中国2強のような、プラットフォーマー戦略で市場すなわち富を寡占している極一握りの企業であり、彼らのPL余力、余剰資金もまた青天井でありかつ、彼ら同士の競争も激しいため優秀人材にいくらでも大枚をはたく結果となります。
もっとも、技術フロンティアは常に咀嚼吸収されてコモディティ化します。サーバ系技術者もそうだったし、つい最近までデータサイエンティストと言われていた人々もしかり。過渡期の現象ではあります。
その良し悪しはあれど、良い傾向だと思っていることが1つあります(先日、東大・理研の杉山将先生らとも同じ話をしていました)。
それは企業とのタイアップがトップダウンで決まるようになったことです。研究のためのデータや資金のために企業と共同研究する機会は増えています。いまは企業のトップクラスの方が出てこられて、素早い意思決定をされます。その分結果が出るのが早いし、研究費についてもちゃんと理解していただけます。
ちょっと前までは企業、大学お互いに思いがあっても経営に関する決定権を持たない技術者の方(だけ)とお話することが多く、話しがまとまっても「予算化できませんでした」「上司に止められました」となることが多かったのです。また、「何度意見交換を繰り返せば話しが決まるのか・・・」となるようなものもありました。
AIの専門家は業界での経験がなくても、給与とストックオプションを合わせて年間30万~50万ドルの待遇が提示される。トップレベルの研究者は数百万ドルの報酬パッケージを手にすることもあるという
そんな中でも優れたスタートアップは出てきますから、技術者が足りない中でもそれなりになんとかするのも経営者の腕の見せ所かと。