ものづくりと物流を一体化したサプライチェーン最適化
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「ものづくり大国ニッポンの危機」
そう言われるようになり久しく、2000年代前後に家電やパソコン業界を襲ったコモディティ化の波が、今あらゆる製造業に訪れています。欧米の製造業は将来を見越し「インダストリー4.0」等、サプライチェーンをつなげることによる競争力強化を進めています。
かつて海外メーカーの台頭による競争激化の中、サプライチェーン改革に取り組んだ弊社の事例をもとに、日本の製造業が今後戦っていくヒントに迫りました。
サプライチェーン改革は経営改革であり、「物流」がその重要なカギを握る。とても印象的なお話でした。
注目のコメント
生産側の都合ではなく、注文側がモノの流れを牽引する。TPSってまさにロジスティクス(兵站)の考え方ですね。
というか、元々ロジスティクスとはサプライチェーンを最適化することなんですが、日本ではそれを殆ど「運送」と同一視し、発注と生産を軽視して運ぶことだけを考えるようになってしまったと思うんですよね。
そもそも「物流」という単語そのものがロジスティクス軽視の表れです。
元々はロジスティクス用語のPhysical Distributionを「物的流通」、都市計画用語のFrieight Transportationを「物資流動」と訳していたのを、「物流」と一緒くたに略してしまったものです。前者は、広範に及ぶロジスティクスにおける流通の物理的流通を指すのに対し、後者は都市計画上の貨物車交通を指すものです。
また、日本には物流関連の専門学科またはコースがあるのは4大学のみ(神戸大学 海事科学部 グローバル輸送科学科 ロジスティクスコース、東京海洋大学 海洋工学部 流通情報工学科、流通科学大学 商学部 マーケティング学科 流通システムコース、流通経済大学 流通情報学部 流通情報学科)で、海洋工学系か商学部の中に位置付けられています。
米国は185、ドイツは45、中国に至っては485の大学にあると聞いたことがあります。
この様な物流軽視の状態になった背景には、「兵站学」という軍事研究を軽視したことや、自動車産業が発展し道路建設が大きな利権となるなかで、車輌と道路を中心とした考え方になってしまったことが影響したのではと推察します。業界によってはあんまりプルにしすぎると、飛び込み注文に対応できなくなるので、(多品種生産の場合は)delayed differentiation とdynamic peggingで対応しますねぇ
デリサンドイッチ屋さんで、挟む肉(ハムだったり、ローストビーフだったり、ターキーだったり)を最後の工程に持ってきて(delayed differentiation)、肉以外の共通プラットフォームであるパンやレタスの準備を注文前にしておいて、注文が入った時点で、それにパン+レタスを引き当てる(dynamic pegging)、というかんじです 強引な客が列に割り込んだ場合、その時点で肉を挟んでなければ、引当て直します(←授業ネタ) MBA系の方々は、白いTシャツを後で染めるハナシ(ベネトンでしたっけ?)をご存知かもですねぇ
ここでプラットフォームという言葉を使ったのは、supply chain 設計と製品(群)アーキテクチャ設計との深いカンケイを示唆したかったからですよ
delayed differentiation に関しては、沢山のペーパーがORやマネージメント分野にあるのですが、dynamic pegging は何故か殆ど見られません(SAPのホワイトペーパー程度) っていう不思議なことに気づいて、最近イランからきた客員PhDの学生さんにちょと数理モデル化やってもらったら、とってもオモシロイ結果がでましたよ 来月ぐらいにはペーパー提出できるかなぁ ちょっとbuzzおこすかもなぁ、と期待しています(いつものトラヌタヌキ)
あ、logistics とsupply chain の語意について、大場さんと同意です なので記事読み初め、ちょっと混乱しました
追記
川田さん、Sharif U のIE PhD 途中で半年来てくれた、とっても優秀な学生さんです 先月かえりました 訪問中、彼女がSharifでやっていたPhD トピックも見てた(というかそれが訪問の主目的)のですが、それよりも、ついでにやってもらったこっちのトピックの方を、気にいってもらえて(ミコミアル)、スゴーイ密度で仕上げちゃいましたよ 運良くペーパーがbuzzしてどっかスポンサーついたらポスドクでまた来てね、と約束しましたよ
追記オワリコメント欄、勉強になります。
Delayed differentiation, dynamic pegging、恥ずかしながら初めて聞きました。そして何より、Saitou教授コメントの"イランから来た客員PhDの学生さん"の数理化モデルが気になります!
ちなみにイランではEngineerはモハンデスと言うのですが、Meetingでは尊敬の意を込めて「アガイエ モハンデス(Mr. Engineer)」と呼びます。関係ない話ですみません。。