さらば、シリコンバレー。テック企業が中西部に熱視線
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注目のコメント
昨年末に今年のトレンド予測をNPに寄稿しましたが、やはりこの傾向は日に日に強まる一方です。
https://newspicks.com/news/2710862
ここに記載されていない、このトレンドの理由のひとつが、産業シフトです。
インターネット産業が、シリコンバレー+サンフランシスコが反映した理由の最も大きな1つです。過去四半世紀のネット産業集積都市なのです。
そのネット産業が寡占化、成熟化し、スタートアップがインターネット産業から生まれなくなりづらくなった。
その代わりAI、ハードウェア、IoTなどのディープテックや、既存産業のデジタル革新系がスタートアップ、イノベーションの得意領域のへとシフトしてきました。するとそれらの研究開発に強い世界各地の大学発であったり、既存産業が強い都市だったりがスタートアップ発祥地になりやすい傾向が強まってきています。(米国の)地方都市がどうやったらベンチャー・キャピタルの企業や投資家の移転を招致できるか、についての話として読むのがいい記事なのでしょうね。
生活環境(ピーター・ティールのいう「知的多様性に富む都市」)を整えればベンチャー・キャピタルが移転してくるというのであれば、世界中の都市が競ってそれをするでしょうが、それでは十分ではなさそうです。知的多様性というのも一朝一夕ではできないものだし、記事中でも「子供の教育」を重視する意見がありますが、これも人によっては決定的に重要です。
日本の場合、本社が東京に集中して地方移転が進みません。法人税を下げたくらいでは、富山や鳥取に移転する企業はなかなか現れません。生活環境も理由としてあるでしょうが、やはり企業の都合でしょう。企業によっては官公庁に隣接している必要があり、そうでなくても営業回りや接待がなくては仕事にならない、という慣習があります。
シリコン・ヴァレーのテック企業の場合は、そういう慣習に依存するところが少ないのでしょうし、元より官公庁に接待をするという慣習にも乏しく、むしろ最近になってワシントンDCに邸宅を構える必要が出てきた人たちもいるでしょう。
もう一つの要因は、人事面、特に大学に隣接しているかどうかですね。シリコン・ヴァレーの企業にとってスタンフォード大学やカリフォルニア工科大学はやはり重要でしょう。東京に本社を置く日本企業は、新卒採用においてどうしても他の都市より有利といわざるをえないでしょう。
生活環境と子供の教育、最高水準の大学くらいが揃えられれば、米国だと移転してくるベンチャー・キャピタルは結構ありそうです。日本だと、地方都市だと東京に及ばない点は
どうしてもあるので、法人税や土地コストに加えて、特定の業種に焦点を当てた環境整備が必要なのではないでしょうか。欧米のニュースは物語り風に書き、中心は何?最後まで読まないと、あまり記事の主旨を見つけません。
読み物としてはいいが、短い記事からぎゅっと絞った内容を得るには少々不向きです。