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なぜ、日本人にアートの「説明力」が必要なのか

NewsPicks編集部
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  • screamlouder Inc. Los Angeles M. Strategist/ C. Artist/ CEO

    素晴らしい。日々クリエイター仲間と議論していることが、分かりやすく記されています。

    今の日本が文化基盤を失っていることでとても弱い存在であること、それが第二次世界大戦の敗戦に起因することなどは、まさに昨日もNYで話していた内容です。

    デジタルクリエイションを生業としていて、一昨年くらいから無性に日本文化を掘りたくなった身としては、広くバイラルして欲しい記事。茶道なんて掘っててめちゃめちゃおもしろいですが、しかしNewsPicksはこの手のカテゴリーの記事が本当に伸びない、、、まずはこの状況からなんとかしたいなあ。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    日本人に(自分たち自身についての)「説明力」が不足している、というのはアートに限った話ではなく、言語、宗教、文化、全般にいえることでしょう。この問題は、明治の開国後すぐに広く理解されており、新渡戸稲造が『武士道』を、岡倉天心が『茶の本』や『東洋の理想』を、というように懸命に英語の本を書いて、日本の文化的価値とは何かを欧米に説明しようとしてきました。
    世界的に見れば、日本人が特に自分たちの文化的価値についての「説明力」が際立って低い、というわけではなく、むしろ世界の人々の大部分は、そのような説明を世界に向けてはしてこなかったし、欧米人が際立っているだけともいえます。欧米人は自らの文化的価値を、文明の発展、民主主義と人権のための戦い、国民の生成といった歴史の物語の中にテーマとして織り込み、普遍的な価値として世界中に広めてきました。アートも価値の啓蒙、普及に一役買いました。欧米人の強力な「説明」活動の方がむしろ人類の中で特殊です。

    明治以降の日本人が自分たちの文化的価値を欧米に説明しようとした時、それは欧米の模倣とならざるをえませんでした。後々冷静に考えれば、「武士道」や「茶の湯」が日本の代表的な文化的価値なのかも、議論の余地はあります。
    特に岡倉天心は、日本に欧米の美術を普及するとともに、「日本美術」を成立させて、欧米の美術界の一角に食い込ませようとしました。その時から、日本の洋画家たちの欧米画壇に食い込まんとする必死の努力が始まりました。
    柳宗悦は当初は、岡倉天心のように日本に「美術」を普及させようとする事業に従事していましたが、日本の社会でどのように文化的価値が生じてきたのか、別の見方を試みるようになりました。民間の仏教において仏像はどのように人々に尊ばれているのか、人々が日常生活で用いる道具にどのような愛着をもっているのか考え、日本や朝鮮の「民芸」に着目するようになりました。
    文化的価値を対外的に説明することが必要な機会、というのはあります。そのような説明を外交や経済の武器とすることもできます。その際に、一番容易なやり方は、欧米のやってきた説明のやり方を模倣することです。ただし、模倣による説明では、見落とされるものや事実とはかけ離れて強調されるものも多くあります。対外的に理解されにくくても、柳宗悦のような別の説明のやり方を試みる、ということもありえます。


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    Podcast Studio Chronicle 代表

    山本さんの話は毎回ハッとするメッセージに溢れているのですが、今回は特に、日本の美術史・文化史を学び直したくなる内容です。


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