【レクサス】切子調ガラスがクルマの内装に。そのラグジュアリーな革新性とは
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いや、まあ、素晴らしい試みだし、綺麗だし、技術レベルもおそろしく高いんだけれども…
AGCグループの売上高は1兆3000億円(16年)。
内訳を見てみると、ガラス事業は売上の53%に相当する6800億円で、更にその半分に当たる3602億円が自動車用ガラスだそうです。※1
自動車用ガラスが同社の基盤事業であることは言うまでもありません。
2013年の少し古いデータですが、経産省によると自動車ガラスの世界シェアのうち約22%がAGCだそうです。※2
これ、めちゃくちゃ凄いことですよ!!
付加価値を付けづらい素材事業で日本企業が世界トップに立つことなんて、並大抵の企業努力ではできません。
でも、その理由は「ラグジュアリーな革新性」なんですか?
違うでしょう。われわれ素人には想像もつかないような、涙ぐましい現場での努力があるはずです。
もしメディアがAGCを取り上げて報じるべき役割があるとすれば、まずはそれを分野外の人々に伝えることではないでしょうか。
本記事で話題にしているのは内装用のガラスであり、既存事業とは一線を画す新規性と、実現するだけの技術力があることはわかります。編集部が好きらしい「イノベーター」精神も不可欠だったのでしょう。
でも、工業製品で工芸品を再現できるまでの技術力を昇華できたのは、工業製品として安全で効率よく、高品質なガラスを作り続ける仕事を110年続けてきたからではないでしょうか。
現場のエンジニアの方がもしこの記事を読んだら「もっとここの技術に注目してくれ!」と思う話題はたくさんあると思います。
素材業界は最近暗いニュースばかりで、たまに話題にあがっても見てくれのいい特異事業ばかり。
7回の連載のうち4回をガラス以外の横文字に費やして、ようやく製品の話題が出てきたと思ったのに、少し残念です。
※1 AGC 企業情報
http://www.agc.com/company/index.html
※2 板ガラス産業の市場構造に関する調査報告概要
http://www.meti.go.jp/press/2015/06/20150626001/20150626001-2.pdfこんなところにもAGC旭硝子の製品が!
と、意外な気持ちを抑えられませんでした。
日本が誇る高級車、レクサス。
LS500のドアトリムに使われているのは、
日本では伝統工芸として知られる
切子調ガラス。
実物を拝見しましたが、
光の加減がとても美しくて…
日本人ならではの美意識を隅々に感じました。
素晴らしい技術力です。
工業製品の枠を超えた、
「アート作品」。
デザイナーの伊藤さんと
ガラス作家の中村さんの
クリエイター魂を感じる対談です。面白いですね。
人間が何をラグジュアリーで革新的だと感じるかはとてもむずかしい問題です。
昔、旭硝子の人と話していて、「雨音がラグジュアリーになるようなフロントガラス」の開発の話を聞きました。静かすぎず、うるさすぎず、聞いていて高級感のある雨音を生み出すようなフロンドガラス・・・。でも、「革新的」とは言われないんでしょうね。(音響効果は材料以外でもコントロールできるのでそんなに単純じゃないですし)