サピエンス全史図解(詳説版)
コメント
注目のコメント
流行ってたみたいだけど、パラパラ読んで嫌な予感しかしなかったので読んでませんでした。
まとめがどれだけ正確なのかは知りませんが、もしこの様な内容ならば本当に読まなくてよかった。
「人類だけが」という発想はいかにも人間中心主義的で、無意味に理由を追いかける行為は、、ファクトとしての人類史に歪んだ解釈を与えてしまう気がします。
それがいわゆる「史観」であり、個人の捉え方は自由ですが、あたかも因果関係までもが客観的に語られているようで、これを読んで人類史を「理解」した気になることはかなり危険に感じます。この類のものは「教養」としては避けた方が良さそう。(だからビジネス書カテゴリに入ってるのか)
おまけにエネルギー変換革命が科学によって解決されるとされていますが、確かにその側面はありますが、重要なのは膨大な化石燃料の備蓄がたまたま存在していたことであって、単に科学で解決したわけではないです。
意欲的なすごい本ということはわかりますが、評価の方がへんなことになってますね。
この本の結論は、原始仏教に救いを求めるものたと思っていましたが、違いましたかね。まあ、それができるのなら大戦など起きませんが。このスライドを本業以外の空いている時間で作られたのならば本当にスゴイ。インプットした情報を、要約してイラスト化できる人間は尊敬します。
---
本スライドに詳しい記載はなかったですが、自分は「穀物による人間の奴隷化」が最も印象に残っています。
サピエンス全史では、ホモ・サピエンス史に残るマイルストーンとして「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つを取り上げていますが、そのうち1万2,000年前に起こった農業革命を「史上最大の詐欺」と評しています。
農業革命のポイントは以下です。
・小麦はじめとした穀物栽培に必須の「分業体制」が敷かれることによって、個人で完結できる仕事が無くなってしまう。
・人間の身体構造に合わない、かがみ腰作業が増えることで、慢性的な腰痛などの身体的障害が生まれる。
・単品穀物のみに食糧を依存することによって、慢性的な栄養失調に陥り、凶作の時は相当数の餓死者が生まれる(投資でいう「分散投資」ができなくなってしまったということ。狩猟時代は果物・野菜・魚・肉とバリエーション豊かな食糧が食卓に並んでいたはず)。
・育てている穀物が誰かに奪われたり、不作だった時のダメージは計り知れないため、常に穀物の状態を見守る必要が生まれ、疑心暗鬼の状態が加速する。
→「穀物を主とした人間の奴隷化」と言える。
---
ではなぜ、ここまでデメリットが大きい農業革命が起こったのか。
それはひとえに「より多くのサピエンスを生かすことができるから。」です。少ない面積で、多くの人間を生かし続けることができるということ、それが農業の最大のメリットです。
事実、農業革命により人口は爆発的に増加しました。しかしそれは、個々人の幸せを犠牲に成し遂げられたものとも考えられるわけです。また、家畜動物も同様、爆発的に数を(人間の手により)殖やせたのは良いが、個々の動物にとっては何もできず殺されるという運命が待ち受けています。
したがって上記の事象は、世界最大級ともいえる「全体最適と個別最適のミスマッチ」といえるわけです。この視点はとても勉強になりました。