Goldman Sachs Says Bitcoin is the New Gold, a Better Safe Haven Asset
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注目のコメント
GSニューヨークのエコノミストZach Pandle氏のレポート「Bitcoin as Money」に目を通しましたけれども、本レポートは、とてもビットコイン推しの論調には見えませんでした。
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本レポートでは、要旨として下記に言及しています:
◾️通貨の価値は、各種取引の促進とポートフォリオの多様化から成る。
・この意味で、USDが最強
・今日、各地で経済のドル化(Dollarization)が進んでいる
◾️暗号通貨に需要が出ている地域は、
①現地通貨が不安定だったり(and/or)、
②資本が政府の統制下にあるところ、そして、
③個人投資家の投機(Retail speculation)
◾️ビットコインを始めとする暗号通貨が広範に浸透するに際して、実務的なハードルは高い(digital currencies face significant practical hurdles to wide adoption)。
・政府による規制の可能性と、過度なボラティリティ
◾️ビットコインがマネーとなり得るかについて、
・理論上はイエス。決済コストが安く、ポートフォリオにより良いrisk-adjusted returnsをもたらすのなら
・でも実務上は、ハードルは高いだろう。だって、資本市場における既存通貨は、十分なクオリティのマネーサービスを既に提供しているから。ブロックチェーン技術が発展したら、[Moriによる補完: 既存通貨が恩恵を受けるため]ビットコインがマネーとなり得るハードルはより上がる
・なお、伝統的なマネーサービスが不十分な金融システムしかない地域では、ビットコインが発展可能な選択肢となるかもしれない
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この記事は、レポートからの恣意的な抜粋とストーリーの構成であると、私には見えますGoldman Sachsの顧客向けレポートで、Zach Pandlアナリストがデジタルゴールド仮説を披露しています。
ビットコインの価格の説明は、分散型ペイメントサービスというユーティリティの価値から説明する考え方がもともと主流でしたが、これによって説明が難しいほどに価格が高騰した現在の状況を説明するものとして、近時デジタルゴールド仮説が唱えられています。
ゴールドそのものには一定のユーティリティがあるなかで、金地金の価格はこうしたゴールド自体のユーティリティに基づく価値を超えて、純粋な希少性に基づき価格が付されているわけで、このような現象を肯定するのであれば、それがデジタルで実現している現象を否定するというのは合理的ではなく、リアルは触れるがデジタルは触れないという人間の素朴な感覚に基づくバイアスが、デジタルゴールドという概念を認められない正体だということになります。
こうした認知バイアスは、これまで電子化の過程で形を変えて何度も出てきた話で、これにとらわれている人々は、そろそろパターンを自覚して自己修正できるくらいには学習したほうがよいと個人的には思うのですが、決して軽く見られることではありません。こうしたパターン認識と自己修正ができない人が意外と年配層に多く、そうした人が政策決定に関わるケースが散見されるので、日本の電子署名法などに見られるように、バイアスに基づいておかしなルールができてしまうということが仮想通貨の領域で起こらないように、我々もしっかりと声を上げていく必要があると思います。