Watsonで紐解く物語の旅路 【第1回】「ストーリーを科学的に読み解く」
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「ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム」 http://amzn.to/2nHLM8I という昨年出版された本が面白い.
テキスト・マイニングと計量文献学を用いてベストセラーとなる本を判定するアルゴリズムがあり,これを通せば80%の確率でその本が売れるか否かの判別が可能だという.広く受け入れられるストーリーはパターン化可能なのである.なるほど、ストーリーを折れ線グラフに落とし込むわけか。
ページ数を横軸に、ストーリーの盛り上がり(記事中では「幸福値」)を縦軸にしてグラフ化することができれば、本の面白さを定量化できますね。
ベストセラーや古典の波形を分析すれば、売れる本の波形、つまりストーリーの構成がわかるわけですね。
で、その波形は以下の6個に分類できる、と。
1 立身出世物語(主人公の状況がずっと上昇するだけ)
2 悲劇(主人公の状況が下がり続ける、アリストテレスのフレームワーク)
3 苦境脱出型(転落してからはい上がる)
4 シンデレラ型(上昇して下がって、上がる)
5 イカロス型(上昇して下降する、典型的な神話の法則)
6 オイディプス型(エディプスコンプレックスの話 下がって上がって下がる)
落語とか漫才とかにも応用できそうだなあ。映画はストリームの芸術なので同時に複数の時系列を取り扱うのが難しいので説明しやすいんですが、これが連続ドラマや連載型の小説・漫画等の場合は受け手のタイムラインが都度断絶するので、とても複雑な構成になりますよね。連載型でも例えば新聞連載と文芸誌連載ではボリュームも違うのでまた変わってきます。連載小説が単行本化するにあたってリライトを入れるのもそうした受け手側の時間消費に関係があるはずです。
科学的に分析する体でこのことを捉えると、多分人間の集中力や情報処理能力といったところの脳科学的な実証を踏まえて考えるとより確度の高い仮説を立てられるような気がしますね。
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どっかで聞いた話ですが、小説を書く時に登場人物の台詞の語尾を、序盤では「〜と思う」「〜じゃないかな」とし、終盤では「〜だ」「〜です」という風に徐々に言い切り型に切り替えていくという話を聞いた事があります。
あと、言葉の語尾の母印が「ア行」だと聞きての心拍数を上げる効果があるという話も。こういう誰も気付きそうにない細かいところに手を入れられるかどうかが、物語のクオリティを実は左右してると僕は素人考えでずっと思ってる事です。