「大企業だからこそ」のイノベーション、成功の原理原則を語る
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先日、日本マイクロソフトさんの「大企業からイノベーションは興こらないは本当か?」というテーマのイベントで登壇させて頂きました。
私自身は大企業の人間ではないので、「どうやればイノベーションを興せるか」という点について、どのようにして創造型人材を発掘・育成するのか、どのようなシーズの組み合わせで革新的なアイデアは生み出されるのか、「破壊的なイノベーションと持続的イノベーションの違い」などについてお話させて頂きました。
他の登壇者の方々も個性的な人ばかりで楽しい内容なので、ぜひ記事をご覧ください。大企業でイノベーションを起こそうとして長年苦労している私の実感からすると、人事制度がその壁の本質かなと思い至っています。
大企業と中小企業とを分けるのは、組織の大きさ(とセクショナリズム)による意思決定の遅さもありますが、トップ経営層以外のサラリーマンにとって、意思決定が遅くなるのは、社内のイノベーションよりも自分のポジションや処遇が頭をチラつくからです。
大企業のサラリーマンの殆どは、安定した雇用を求めてそこに残っているので、社内で自分がやった仕事でリスクを取るよりも、ポジションの安定や希望の異動、最低限の出世を求めます。
そうした大企業サラリーマンの行動基準の本質がある限り、普通の業務プロセスではどんなアイデアがあってもうまくいきません。
また、大きな組織は責任を分散させる機能そのものなので、社内で企画が通るには、大多数を説得できる「予定調和的」にある程度成功が担保されたものでなければならず、判子をつくたびにイノベーションからほど遠いものになっていきます。
結局トップダウンでしかできないが、ワンマン(独裁)でうまく回る経営などというものは個人のカリスマでしかなく、持続可能ではない。大企業には関係者が多すぎて、それぞれセクショナリズムに陥っていて、イノベーションが起きる気がしない。
大赤字で会社が傾き、ゴーンさんみたいな人がトップでやってきて大改革をしない限り、大企業は変われないと実感している。