「業務効率で世界の医療機器トップに大きく劣後」(オリンパス社長)
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注目のコメント
業務効率、重要な問題意識だと思う。
ざっくり販管費比率を見てみると、オリンパスは55%(営業利益率10%)。他に競合を見てみると、Strykerは47%(同19%)、Medtronics35%(同19%)、テルモ39%(同13%)といった状況。
オリンパスはtoCのカメラ事業があるというのもあるが、とはいえ医療機器が3/4の売上を占めるので、やはり効率が悪い。
『当社は製品力は強く、販売強化も引き続きやっていくが、陣容は十分に整ったレベルにある。問題はどう業務の効率を上げるかだ。業務の効率で言えば世界の医療機器トップと比べて、大きく劣後している。経営陣や社員の意識などが変わらないとだめで、すべてのステークホルダー(利害関係者)に当社が高い品質を持つ企業ということを認識してもらうことが重要だ』オリンパス(7733)の笹社長のインタビューです。
同社は2016年3月に5ヶ年の中期計画を発表していますが、EBITDAの成長、利益率と資本効率の改善の両方を追う目標が掲げられています。しかし初年度は為替の影響があるもののやや低調な滑り出しになってしまいました。
消化器内視鏡の土台の上に、外科と処置具の領域でモノは揃いつつあるので、今後は刈り取りにむけて販売効率を高めていきたいという、社長の檄というふうに読み取れそうです。
三上さんのおっしゃる通り、これから診断から手術までのバリューチェーンでデジタル化、AI化、あるいはロボット化が進んでいくと思われます。技術統括役員直轄組織として「イノベーション推進室」を設置したのも、この流れを受けたものでしょう。同室が推進するオープンイノベーションでいかに流れを引き寄せるのか、注目したいと思います。