「恋ダンス」動画消す苦悩 拡散させたい、でも売れない
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記事に登場した榎本です。補足しときましょうか。
1. ビクターは著作権法上、問題があるから削除したんではないです。
2. ここ2年、欧米では「YouTubeは新しいメディア。宣伝すれば売れる」という捉え方はミュージシャン的にも時代遅れになってきています。
「YouTubeでたくさん再生されたし、マスメディアにも取り上げられたけど、CDも配信も売れなかった」という事例が、国内でも増えてる現状があります。
4.「ライブで食えばいいじゃないか」というのは、星野源さんくらいのビッグアーティストならそのとおりなのです。ライブは、一定以上の規模のホールを埋めて黒字になるビジネスです。でも、それは一握り。
5. 「YouTuberのように広告で稼げばいい」というのは、音楽ビデオでは難しいです。0.1円 x 100万回再生 x 年2本 = 20万円。曲とビデオの制作費で200万x2は下らないので赤字。シングル曲はYouTuberのように毎日出せませんし、二次利用の総再生数も結局、オリジナルを超えないもんです。
6. YouTubeで再生数を取れば金になる時代じゃなくなったので、音楽会社は模索中です。最近増えたショートバージョンもその一例です。
「恋ダンス」のケースからおそらく得た学びは、「はじめから1:30の『踊ってみた』用の公式ビデオと音源を用意すればよかった」「はじめから二次利用は1:30に区切って許可したい。そういう機能をGoogleに要請していきたい」といったところでしょうか(僕が昔から言ってることだったりしますが)
7. 僕はまったく別の捉え方をしてます。欧米やアジアを見ても、YouTube一強の時代が終わりそうです。
たとえばYouTubeの平均CPMは2ドル。ネット広告でも最低クラスですね。そしてYouTubeの全視聴数のうち30%が音楽です。音楽メディアならMTVのCPMは10ドル、ウェブ系のPandoraも7ドル近くCPMがあります。
ファイル共有がきっかけで、音楽会社は定額制配信を発明しました。同じように動画共有を機に、新しいもの創ったほうが早いと思ってます。