米国は戦略石油備蓄100万バレルを放出、「ハービー」の影響で
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100万バレルという量は、米国の「1日の原油生産量」の7%程度(2016年の原油生産量は1370万バレル/日)。また戦略備蓄はざっくり7億バレルある。
報道ではハリケーンで精製キャパは15%ほど影響を受けているが、原油生産に影響があるという報道はこれまでたぶん出ていない。そのなかでなぜ備蓄放出なのか気になったので、英語報道(下記)を見てみた。Phillips 66のルイジアナの製油所に向けた備蓄放出。
テキサスの精製能力が下がっている中で、ほかの稼働率を上げられるところを上げて、全米へのガソリン等の供給を少しでも維持しようとしている感じではないだろうか?(自分の推測)
http://bit.ly/2eIJbb3
なお、ハリケーンに伴う在庫影響に関わりそうな数値系は下記にまとめてあるので、興味ある方はご参照いただきたい。
https://newspicks.com/news/2459366?ref=user_100438追加で450万バレルになったようですね。
先週末の段階で6億7900万バレルの戦略備蓄(SPR)から、Phillips 66に対して既に決まっていた100万バレル(Phillips66は実際には70万バレルしか受け取らなかったとののこと)に加え、Marathonに300万バレル、Valero Energyに50万バレルを追加とのこと。
現在10の製油所が停止していて、うち6は再稼動の途上にあり、4は稼働率を落として営業中。
ガソリン価格が2年ぶりの高い水準$2.519/ガロンに達したことに対する措置として、ペリーエネルギー庁長官が石油会社からの要望に迅速に対応したということですが、油田よりも製油所の打撃の方が大きいので、需給バランスに対する戦略備蓄解放の直接の効果は限定的かと。
一方で、原油価格そのものも少し上がっています。リグカウントは8/18以降三週連続で減少・横ばいで、前線の生産活動は頭打ち感が出てきています。それも2014年のピーク時の半分以下。ただし、生産量は依然としてうなぎのぼり。リグカウントの影響が出るのは半年以上はかかるので、生産量が減るにはまだ先の話。原油在庫は少しずつ減ってます。
参考
US taps more oil from emergency stockpile as Harvey pressures petrol prices https://www.ft.com/content/627b5546-2edc-38c2-b1c0-3e5e7283db0e東日本大震災の時もそうだったが、クルマ社会の田舎ではガソリンは必需品。アメリカだともっとそうではないでしょうか。何をするにもエネルギーは必要。石油の備蓄はこういう非常事態のためにあるのだから、出し惜しみせずどんどんやってくださいませ