この連載について
100年以上もの間、「お買い物の王者」として君臨してきた百貨店が苦境にあえいでいる。米AmazonやZOZOTOWNなどのEC企業が台頭し、消費者の購買行動はガラリと変わり始め、百貨店は多くの消費者にとって不要な存在になった。役目を終えつつある百貨店の今を、NewsPicks編集部が追った。
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三越と伊勢丹が経営統合。百貨店事業を中心に不動産、カード事業、EC事業も手掛ける。基幹店の構造改革、支店・地方店・海外店・中小型店のビジネスモデルを再構築で収益回復を目指す。ニッコウトラベルを完全子会社化するなどシナジーの高い飲食、旅行、理美容に特化し育成。
業種
百貨店
時価総額
9,951 億円
業績
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ただ、消化仕入れは三越伊勢丹の自滅の要因ではなく百貨店業態の悪しき慣習であり他社も同様。むしろ伊勢丹は買取による自社ブランド立ち上げを頑張っていたが故に、在庫が積み増されてしまったのが大西さんを追い込んだ一因かと。
あと、アパレルメーカーの営業利益推移、オンワードと三陽商会逆ですね。
(追記)アパレル営業利益推移、修正済みです!!
一つは、百貨店が儲かるレディスアパレルに依存し過ぎた、という点があります。昨日もコメントしましたが百貨店は「ライフスタイル提案の場」ということで、高くても売れる構造にありました。百貨店が分厚いマージンを取り、さらに販売員もかけ、それをベースに売価設計しても、百貨店もアパレルも大きく儲かる状況が長く続き、世界でもまれに見るほど衣料品へ依存した収益構造になっていました。それがファストファッションなどによって衣料品の単価が下がり、軒並み百貨店アパレルが崩れていったことが一つの大きな要因です
もう一つは不動産モデルへの転換、と簡単に言いますが、それはアパレルの利幅に支えられた高販管費体質との決別、すなわち人員のリストラとセットでないと儲かりません
このあたりは一番進めにくい施策。だからこそ人材を配置転換できる新事業を作らないと始まらない、というのが大西さんの取り組みだったように思いますがそれも否定されちゃいましたね
※二点目を書く時間がなかったので後で追記しました
本に詳細があるが、元々衣料品は極めて分散した業界で、家でお母さんも作っていた。消費者需要を喚起するきっかけとなったがのが、伊勢丹。顧客データから標準体型の独自規格を持っていた伊勢丹が、1964年にほかの百貨店と連携して、表示を統一して、メーカーも巻き込んだ。また記事にある在庫リスクなどの話についても、どういう背景があって拡大したかなどがある。これを読むほど、百貨店とアパレルというのは単なる商売相手ではなく、一蓮托生の切っても切り離せない関係だと感じる(それゆえ改革をするのも大変)。
アパレルだけでなくいろいろな産業・ビジネスの歴史や進化について書かれているので、産業・企業分析に興味がある人全員にオススメの本。
記事と併せて、②のSPEEDA総研も見ていただきたい。電鉄系やほかの小売業態も含めた平米あたり売上高がでている(記事では、百貨店業界の面積と伊勢丹の出店の話があるが、伊勢丹の面積当たり売上の推移が出ている方がよかったと個人的には思った)。
あと利益率はIFRSのときに売上に何を計上すべきかという議論で、消化仕入れは売上に該当しないという話があったと記憶している。同じ利益でも何を売上と考えるかで利益率はいくらでも変わる。業態としての重要性や経済性は面積当たりの売上・コストで考えて、ビジネス運営者としては仕入れ形態がいろいろあるのでROICなどでも見ることが重要。小売や卸は、営業利益率が低くてもROICが驚くほど高い企業がたまにある。
①http://amzn.to/2vHodT6
②https://newspicks.com/news/1465974/body
少し古いですが、DBJのこちらのレポートがさらに理解が深まります。
http://www.dbj.jp/ja/topics/report/2012/files/0000010913_file2.pdf
まず注目すべきは、衣料品自体への支出が減っていること。02年から2割以上減です。一方百貨店は売上の約半分が衣料品で、同期間の売上減少率は35%。全体支出の減で説明される分を除いた15%弱が、ショッピングセンターとアパレルECに奪われているという見方がより正しいかと思います。
それにしても、衣料品への支出が減っている中でこれだけ伸びているZOZOは改めてお化けだと思わされます。
その原因を深ぼると、社内の機能やビジネスモデルの転換ができてないことであり、結局は歴史があることによるしがらみと雇用の問題に行き着く。
一方で持っているアセットはまだまだ素晴らしい。
非常に難しいことではありますが、茹でガエルのまま衰退するより、一切しがらみがなく、日本企業の独特さを理解する外部の力で大きなビジネスモデルの転換をする時が近ずいているのではないでしょうか。
そもそも「買い取り仕入れ」から、大半が「消化仕入れ」になった時から、ビジネスモデルがB2Cから、B2B2Cになるので戦い方を変える必要があったのかなと思います。
ZOZOTOWNも買い取り中心から消化仕入れにシフトチェンジしていく中で、TV CMなどへ投資による「集客」と、顧客化につなげる「CRM(CFM)」に力を入れたことで、自社のビジネスモデルを確立したと捉えています。
百貨店が今更ECにシフトしても、とてつもないスピードがいるし、「らしさ」が出ない気がします。外商担当1人ずつ個店のECサイト(商品と決済)を展開するくらいのほうが、「らしさ」出るのではと思いました。
GINZA SIXモデル(不動産モデル)
売り場をテナントビル化し、安定収益化を実現
マルイモデル(不動産モデル+金融業)
エポスカードなどの金融事業の方が、小売事業より大きい利益を生み出している
とてもわかりやすいインフォグラフィックでした。
今の勤務地でもあるGINZA SIXが不動産モデルであったことに驚き